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夜の渦
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「…あ、…あの…」
「……。」
深みに、嵌まっていくのが分かる
真っ暗で何も見えない渦の中、水底へと向かうように…
「…み、ど…く…」
「おがた…」
目はすっかり蕩けきっていて、いっぱいいっぱいの顔で俺の名前を呼ぶ
それでも、俺はまだ撫で続けていた
もっととかして、もっと可愛いところがみたくて──
「…やべ」
「…?」
「…誰かくる」
「え…」
誰かの靴音が近づいてくる音で我にかえり、ぱっと手を引っ込める
…あんなに溺れて沈みかけていたのに、一瞬で引き戻されてしまい、複雑な気分になる
「……。」
「…お、緒方?」
(まずくね…?この状況…)
人気のない、暗いところで
…しかも一方が顔真っ赤で、身体もぐったりしてて
男同士だとしても、何か変なことしてたと思われてもおかしくない…
「…あれ、水堂…と紫苑(しおん)君?」
「…え、羽柴(はしば)?」
「……。」
靴音がちょうど俺たちのクラスのところでぴたりと止まり、振り返ると同じクラスメイトの羽柴(はしば)がいた
フルネームは羽柴 裕樹(はしば ゆうき)
で、たしか緒方の隣の席のやつで…
「……この状況は?…」
「「……。」」
ですよねー…
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