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息が苦しい
全速力で走っても鬼を撒けず、一定の距離を保ったまま走り続けた。
体育館が見える所まで来た。
靴を脱がずにそのまま中に入る。
『おめでとう』
クラッカーの音と中にいた人たちの声が重なる。
背後にいた鬼たちは肩で息をしながら倒れ込んでいた。
俺たちも緊張が解け床に座り込む。
「では風紀、生徒会メンバーを捕まえた鬼はステージに上がってください」
体格のいい生徒二人と運動が苦手そうな小さな生徒一人がステージに上がる。
もちろん閉会式のために生徒会長である赤龍も一緒にだ。
「まずはおめでとう。一人ずつ願いを言ってみろ」
左から「皆様に名前を呼ばれたい」
「会長、俺を殴ってくれ」
「…ツーショットの写真が欲しい」
各々、願いを伝える。
一人ドMがいるけど性癖はそれぞれだよね。
「わかった。その願い後日叶えてやろう」
「じゃあこれで歓迎会はお終い」
後は寮にに帰るだけとなりみんなが体育館を後にしようとした時マイクを手に持った赤龍に手を引かれた。
「こいつは俺のだ。手ぇ出すなよ」
満足げな顔に腹が立つ。
「これからは龍人って呼べよ」
耳元で囁かれ、いつまでもその声が残っていた。
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