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【後日談】一夜の夢、一生の誓い …22
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軽く触れるだけのキスを二度…いや、三度…
「その顔、何か複雑な気分になる。…色んな意味で」
少し顔を離して、熱っぽい瞳でそう言われた後、再び唇が重なる。
「ん…っ」
ホントに、少し触れるだけのキスなんだけど、こうやって何度もされると…
感じちゃって、思わず声が漏れた。
すると、雅治さんが身体をピクリと震わせてから、ゆっくりと身体を離した。
「そう言えば…まだ、寒いか?」
「え?」
雅治さんの握っていた手の親指が、俺の手の甲を撫でるように動く。
「さっきのヤツが…何か言ってたろ?」
雅治さんが何かを思い出すようにムスッとした。
あ、さっきのヤツって…あのナンパ野郎が言ってたこと?
「いや、寒くないよっ。…そのっ、手が冷たいのは、多分緊張してたから…」
「緊張?」
「うん…。この格好が、雅治さんに受け入れられるか、心配で」
すると雅治さんは、すごくカッコいい顔で微笑んで、俺の頬を撫でた。
「あぁ、そっか。…フッ。それなら、心配しなくて大丈夫。すごく可愛いし。ってゆーか、すごく俺好みだよ」
「…っ」
俺好み、だって!
これは遥香さんに色々とアドバイスをもらった成果かもっ?
マキさん、遥香さん、ヤッタよーー!!
「今日は、もう手を離さない」
そう言った雅治さんは、指を絡ませて、恋人つなぎに変えた。
あっ…。
手のひらを、なでられただけで、俺の身体は反応してしまう。
ヤバい。
ここでそんな雰囲気になる訳にはっっ…
「あっ、あの!そう言えば、さっき、何で俺って分かったの?」
「え?」
「ナンパから、助けてくれた時」
俺がそう言うと、雅治さんは少し戸惑った。
あれ?
もしかして、俺って気付かずに助けた?
モヤっとした気持ちが湧いた。
雅治さんは、俺が…女だから助けたのか?
俺が知らないだけで、実は雅治さんはあーゆー時に女の人を助ける人なのかも?
その…下心とか…あって…
「声が…したから」
俺がモヤモヤを膨らませようとした時、雅治さんがそう答えた。
「え?」
雅治さんを見ると、心なしか頬が赤い気がする。
「名前、呼んだろ?で、陸の声だと思って振り向いたら…陸が…ってゆーか、陸にソックリな女の子がいて…。ごめん。最初見た時、陸だって分からなかった。…けど、思わず声をかけてしまって…その…」
「名前…」
呼んだ?
俺、呼ぼうとして途中でやめたよね?
…もしかして、あんな一声で、俺が呼んだって気付いたの?
「近くで見て、やっぱり陸に似てるって…こんな子がいるのかって焦ったよ。…ははっ」
雅治さんは照れたような、何かを誤魔化すかのような笑いを漏らした。
「ありがと。ほんと、助かりましたっ」
見た目は気付かれなくても仕方ない。
でも、あんな一声で俺を見つけてくれた雅治さんに、何とも言えない愛しさが込み上げてくる。
好き。
俺、ホントにこの人が好き。
絡めた指に少し力を込める。
すると、また雅治さんの顔が近付いて来て…
唇が、重なった。
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