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【後日談】一夜の夢、一生の誓い …23
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熱い。
いつもより、唇が熱い。
……あっ!
「ん…っ、まっ、待って」
大事なことに気付いて、雅治さんの胸をグイと押した。
「ん?」
「あのっ、口紅!…ほらその、俺、口紅してるからっ」
雅治さんに移っちゃう!
それに、俺、自分で上手く塗り直す自信ないし!
そう思って雅治さんの唇を見ると…案の定、雅治さんの唇がグロスでちょっとテカってた。
うぁぁ…
不本意ながら、その"事後"感に、やけにエロさを感じる。
俺の目線に気付いたのか、雅治さんがグイッと手の甲で自分の唇を拭った。
それからニヤリと笑う。
「せっかく綺麗にしてるのに、思わず全部舐め取るとこだった」
「っ!!」
ちょっ!ちょっ!
それ、そんなカッコつけ顔で言うセリフですか!
俺の方が恥ずかしい!
ってゆーか、雅治さんのテンションがちょっと高い気が…っ
「も、もう!時間なくなっちゃうから、早く出発しよっ?」
そう言って手を離すと、雅治さんは車内の時計に目を向けてから、身体を座席に戻した。
「……ん、確かに。じゃ、出発しますか」
はうぅ…
身体が熱い。
俺の身体、最後までもつかなー…
目的地まで、何もなければ車で40分程で着く。
その車内では、やっぱり俺の女装の話になった。
てゆーか…遥香さんの名前を出すか悩んだ。
口止めはされてない。
けど…言ってもいいのかな?
なーんて悩みは、すぐに消えた。
「バーで会った人にここまでしてもらった」と言う話の途中で、雅治さんがマキさんの事を良く思ってない事が分かったからだ。
そりゃそうだ。
初めて会った人にここまでしてもらうなんて…普通なら有り得ないよな。と、今更ながら思う。
で、マキさんの身元をちゃんとするためにも、遥香さんの名前を出さざるを得なくなった。
同じ職場で働いてるって言えば、多少はマキさんの事を信用してくれると思って。
その考えの通り、雅治さんは遥香さんの名前を聞くと、ピリピリした雰囲気を和らげてくれた。
と言うか…当然だけどすごくビックリされた。
「姉貴は、今日の為って言うのは知って?」
「うん。話したら、協力するって言ってくれて」
そう言うと「あぁ、そうか…それで…」と、雅治さんはモゴモゴと何か独り言を言いながら黙ってしまった。
…。
……。
「あの、雅治さんっ」
「ん?」
「あと、どのくらいで着く?」
「んー。15分くらいかな」
「えっ?15分?」
「なに?トイレ?どっか寄る?」
「いやっ!着くまで我慢できる」
「そう?…あれなら高速降りるけど?」
「いや、いいよ。気にしないで」
…。
……。
ああ、やっぱりどっか寄ってもらうべき?
実は、さっきからある事と闘ってる。
と言うか、もう『それ』が気になって、仕方なくなってしまった。
歩いてる時は、まだ違和感だけで、そこまでじゃなかったけど。
こうして座って、車の振動があると…
ヤバい。
ヤバいんだ。
それを、感じて、しまって…ッ。
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