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【後日談】一夜の夢、一生の誓い …34
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あれから…
着崩れた服とカツラを直して、化粧も直して…
今は、イルミネーション会場に向かって歩いています。
雅治さんに、手を引かれながら。
恋人繋ぎで触れ合う手が、さっきの情事の余韻を思い出させて、変にドキドキして仕方がない。
途中すれ違う人がチラチラと俺たちを見ているような気がした。
「ね?雅治さん?俺、見られてない?」
「ん?大丈夫だよ」
雅治さんと話すときは、声を聞かれないように雅治さんに顔を寄せて小声で喋る。
側から見たら、イチャついてるウザカップルじゃないかな?
大丈夫かな?
入り口に着いて、チケットを購入する列に並ぶ。
もうすっかり日は落ちているけど、チケットブースは明々と照明が灯っているので、人に顔を見られたくなくてつい俯いてしまう。
でも…
マキさんに「堂々としてる方がバレないからね!」と念を押された事を思い出す。
それに、この時の為に色々準備したんだから、楽しまなきゃダメだよね!
そう思って顔を上げた時だった。
「見て見て!あの人、超イケメンじゃない?」
「え?わ!本当だ!モデルかな⁈」
なんて女の声が、隣の列から聞こえてきた。
「声かけてみる?」
「えっ?でも隣にいるの、彼女じゃない?」
「あーホントだ。でも、あんなイケメンなかなか出会えないよ?」
本人達はヒソヒソ喋ってるつもりなのだろうか?
俺のとこまで丸聞こえなんですけど!
いや、むしろわざと?
ちょっとイラっとしかけた時…
雅治さんが、繋いでた手を離して、グイッと俺の肩を抱き寄せた。
ビックリして雅治さんを見上げると同時におでこにキスが落ちてきた。
「チュ」
と小さく音を立てて唇が離れていく。
ちょ!ちょ!
雅治さん⁈
雅治さんて、人前でこんなことする人じゃないよね⁈
驚いて、何も反応できずに雅治さんを見返すと、すごく甘い笑顔で微笑まれた。
「〜〜っ///」
自分の顔が、みるみる赤くなっていくのが分かる。
なになになにー⁈
「うわ!超ラブラブじゃん?」
「マジかー」
先ほどの女達から、そんな声が聞こえてきた。
あ、わざと?
見せつけるためにやった?
兎にも角にも、恥ずかしくて再び俯いてしまう。
今の…いつもの俺…男の俺が相手だったらできないことだよね。
人前で…キス…だなんて…
う、う。
嬉しさと恥ずかしさと…複雑な気分!!
そんな俺の耳に、雅治さんが唇を寄せてこう言った。
「今日の陸には、俺、なにしても良いんだよね?」
「え?…!!ん、ふっ」
ちょっ!!
くちびる!!
雅治さんの唇が俺の耳を掠めた!
変な声、出たしっ…!
わざと?わざとでしょっ?
バッと雅治さんを見上げると、意地悪そうに「フッ」と笑った。
なにしても…って!ダメに決まってるでしょっ!
限度がありますっ!
…って、言い返したいけど、こんな人の密集したところで、(男の)声なんて出せない。
なので、プゥとほっぺを膨らませて睨んでやった。
ダメだよ!って意思表示したつもりだったのに…
なのに、雅治さんは俺を見て優しく微笑んだ。
「可愛い」
はっ?
なんで?
この流れでなんでそーなんの⁈
俺、怒ってんだからね!
ってゆーか…あぁ、もう。
俺、こんな甘々を大盤振る舞いする雅治さん…知らない。
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