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【後日談】一夜の夢、一生の誓い …35
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それから間もなくして、チケットを購入して園内に入ることができた。
「うわぁぁ!キレイ!」
園全体に施されたイルミネーションは、まるで夢のような空間を作り出していた。
「まず、あっちの方から周ろうか?」
入り口でもらったマップをなんとなく眺めながら、木々が電食で飾り付けられた小道を歩く。
もちろん…手を繋いで。
イルミネーションを際立たせるためなのか、園内は基本的に暗い感じがした。
そのためか、何とも言えないムードというか雰囲気がすごく良くて、至る所でカップルか寄り添って歩いている。
うん…見事にカップルだらけだ。
きっと、俺たちの事を気にする人なんて、いない。
そう自分に言い聞かせて、雅治さんをそっと見上げた。
あぁ、今日もカッコいい。
こんな人が、なんで俺なんかの隣にいるんだろうか…
未だに不思議に思う。
「ん?」
俺の目線に気付いたのか、雅治さんが甘い顔で俺を見た。
「いや…なにも…」
そう言って、また俯いてしまう俺。
だって、だって。
俺を見る目が…なんてゆーか、優しくて、甘くて…
俺、こんなカッコしてるのに…
見ようによっちゃ、変態じゃん?
なのに、そんな目で見られたら…居た堪れない。
しばらく歩いて、光の木々を抜けると、ピンクのライトで飾られた池が現れた。
「すごいな…」
「うわ!ほんと、すごい!」
そこには水面にピンクの淡い光が反射して輝く、すごく幻想的な景色が広がっていた。
池の周りを、手を繋いでゆっくりと歩く。
嬉しい、嬉しい。
雅治さんと、こんな風にデートできる日が来るなんて!
周りのカップルと、何の変わりもない!
「あのー。すみません!」
感動に浸っていたら、突然女の人から声をかけられた。
思わず雅治さんの後ろに隠れるように移動してしまう。
何か言われたわけではないのに、身構える、俺。
「写真撮ってもらえませんか?」
女の人はそう言って、雅治さんにスマホを差し出した。
あ、なーんだ。
写真か。
小さなことでビビってしまった自分が恥ずかしい…
「いいですよ」
雅治さんはそう言ってスマホを受け取ってそのカップルの写真を撮ってあげた。
「あ…」
そんな中ふと、俺達も写真撮ってほしいな、って思った。
ちょうど景色も二人の顔も写る、いい場所だったから。
スマホを取り出して、彼女に頼もうとした…けど、そのお願いは出来なかった。
だって…俺、喋ったらバレちゃうから…
頼め、ない。
後で、自撮りしよう…
その彼女が彼氏と頭を下げて向こうに歩き出した時、雅治さんがその二人を呼び止めた。
「あの、俺たちも写真撮ってもらえませんか?」
雅治さん!!
雅治さんは、俺の手からスマホを抜き取って、彼女に差し出した。
チラリと雅治さんに目をやると、「任せとけ」と言わんばかりに、ニッと笑われた。
「良いですよ♪」
その女の人は雅治さんからスマホを受け取ると「じゃ、いきまーす!」と写真を撮ってくれた。
嬉しい!
雅治さんとツーショット!
嬉し過ぎて、絶対俺、ニヤけてる。
「ちゃんと撮れてるか確認してください」
「えっと…はい、大丈夫です。ありがとうございました」
そう言った雅治さんに、その女の人はニヤニヤしながらこう言った。
「あの、二人ってモデルさんとかですか?なんか彼女さん、超可愛いし!」
…は?
「ふっ。モデルじゃないですけど…可愛いでしょ?」
いやいやいや。
ちょっと待って、雅治さん何言ってんの?
は、恥ずかし過ぎる!
「ふふふっ。そっか。それではー」と彼女とその彼氏は楽しそうに去って言った。
「雅治さん!何言ってるんですか!もう」
二人が遠くに行ったのを見てから、雅治さんに詰め寄る。
「陸のこと、超可愛いってさ」
雅治さんが嬉しそうにそう言った。
「そうじゃなくて…ってゆーか、あんなのお世辞じゃないですかっ。ってゆーか、っっ、もうっ!」
「えー?ってゆーか?陸、自信持っていいよ。今日の陸は本当に女にしか見えないし。そこら辺のモデルとかアイドルより、全然可愛いと思うよ?」
う…
嘘でも、嬉しい。
それに…さっきの人、俺のこと変な目で見なかった。
ってゆーか、女に見られてたってことだよね?
そこは、単純に嬉しい。
「もうっ。褒め過ぎだよ。モデルっぽいのは雅治さんだけじゃん」
俺がそう言い返すと「その姿、ちゃんと鏡見たの?」と、ため息をつかれた。
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