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【後日談】一夜の夢、一生の誓い …37
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「ちょっと…もう」
そう呟いた雅治さんは何だか嬉しそう…
えっ?
なに?なに?
いや。確かにちょっとエロいシチュエーションだという自覚はあるけど…
そんな恥ずかしがるようなほど?
えーい!
とにかく咀嚼しないと何も言えない。
もぐもぐもぐ…
ごっくん!
「もうっ!雅治さ「あ。陸、口の横、ケチャップついてる」
「ん…っ、えっ?どこ?」
「ここ」
そう言って雅治さんが指差した辺りを手で拭おうとしたら、その手を雅治さんにガシリと掴まれた。
えっ?と戸惑った時には、雅治さんの顔が目の前にあって…
ペロリ
と、唇の端を舐められた。
「〜っっ!」
顔が離れてから俺の目に飛び込んで来たのは、雅治さんの男オーラ満載の目。
「ちょっ!雅治さん⁈」
「シッ」
そう言って、俺の言葉を制した雅治さんは、今度は俺の唇を食むように唇をくっ付けた。
ん…っ。
急に醸し出された色気に、心臓がドクンと跳ねる。
その時隣から、小さな悲鳴というか視線というか、何だかざわつく気配を感じたので、そっちに目をやると…
なんと、先程のイチャイチャカップルが、俺たちのことを口を開けて見ていた。
は、は、恥ずかし過ぎる!!!
見られた?
見られたよね?
うわーーーん。
確実に俺達もバカップルだ!!
「雅治さんっ!今の、見られたじゃん!」
「ん?陸がイチャイチャしたそうだったからいいかなー?と思ったけど。…ダメだった?」
そう言って、ニヤリと笑う。
うっ。見抜かれてた。
「ダメに決まってんじゃん!いや、ってゆーか…その…あー!もうっ!」
イチャイチャ…したい!
そうさ、したいさ!
だって、今日限定なんだもん!
でも、人に見られるのはやっぱり恥ずかしい訳でっ。
ちょっと拗ねた俺に対して、雅治さんは楽しそうにアメリカンドッグを差し出した。
「もう一口、どう?」
「〜〜っ!」
その後、なんだかんだと…再びアメリカンドッグを頬張ったのは、言うまでもない。
食べ終わってからは、プロジェクションマッピングのショーを見に行ったり、噴水のショーを見に行ったり…と、色々と楽しんだ。
歩く時は常に恋人つなぎだし、ショーを見る時はだいたい抱き寄せられてた。
雅治さんの格好良さのせいか、たまにチラチラ見られる事はあったけど、嫌な目線を感じる事はなかった。
って言うか、開き直ってしまえば簡単だった。
今日を逃せば、こんな幸せな一日はもう訪れないかもしれない。
悔いのないように、と意識した。
雅治さんのことだけ、見た。
雅治さんも、俺のことだけ見てくれた。
夢のようなデート。
手を繋いでも、キス…しても、変な目で見られたり、非難されることはない。
マキさんの魔法に本当に感謝。
ひと通り見て回った後、最後に観覧車に乗ろうってことになった。
乗り込む時、スタッフの兄ちゃんが「わお!美形カップル!」って親指を立ててきた。
なんだよそれ…恥ずかしい…
いや、ちょっと嬉しかったけど…ゴニョゴニョ。
観覧車に乗り込んで、地上から離れてすぐのこと。
「そっち、行っていい?」
そう言いながら向かいに座っていた雅治さんが、俺の隣に移動してきた。
そして、スルリと俺の手を取って指を絡める。
「なんか、緊張する」
突然そんなことを言った雅治さんは外の景色へと視線をやって、俺の方は見なかった。
「えー?なにそれ。ふふっ」
「ふっ」と笑った雅治さんは、そのまま外を見続けた。
俺も、それに習って外を見る。
「……」
お互い無言で、夢のような景色をただ眺めた。
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