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出張4日目 …2
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誰もいない、休憩室に2人…
コーヒーを飲み干した小栗さんが漏らしたため息が静かな空間に響いて、今まで忘れていた緊張を、突然思い出す。
えーと、何か、何か話さなきゃ。
緊張をごまかすためにそう思っていたら、小栗さんが先に口を開いた。
「コーヒー、飲んだのなら捨てるよ?」
「あ、ありがとうございます!」
と、空き缶を差し出すと小栗さんは俺の空き缶を見て一瞬固まった。
どうしたのかな?と思った直後、小栗さんの手が伸びて来て
缶の上の俺の指をなぞった。
「!!」
それからスッと缶を取って、ゴミ箱に向かった。
なに今の!指、触られた?
いや、缶を取る時にたまたま手が触れただけと言えばそうだ。
うん。俺が意識し過ぎなだけだ。
そうに違いない。
「手…やっぱりキレイだよね」
俺が一人で悶々としてたら、また俺の隣に座った小栗さんがそう言った。
ビックリして小栗さんの顔を見る。
仕事中の雰囲気とは違う雰囲気に飲まれて、俺は動けなかった。
やばい。指を触られたのを思い出したら、全身鳥肌。
嫌な鳥肌じゃなくて、なんてゆーの?ゾクゾクする感じ。
俺の心臓うるさい!
静かにこっちを見た小栗さんの目と俺の目がぶつかった。
何か言いたげな、困ったような目。
綺麗な瞳に吸い込まれそうになって…戸惑う。
いつものような人を寄せ付けないハリウッドオーラが出ていなくて、逆に包み込まれる感じがする。
そのうち、ゆらりとその瞳の奥に熱く鋭いものがあるのを感じて、俺はさらに固まってしまった。
「あー…変なこと言ってごめん。俺、疲れて変になってるのかも。
さっき手を見た時に、飲み会の時に女の子みたいなキレイな手だなーと思ってたの思い出したから。。つい…ごめん」
「…あ、ああ!それたまに言われます。指が細いし白いし女の子みたいだって!恥ずかしいなー!あははー」
ビックリした。
すぐに視線を外されたけど、ぶっちゃけ、食われるかと思った。
ライオンに睨まれたウサギのような…
心臓、痛い。
それからすぐに佐々木さんが戻ってきた。
いつの間にか、いつもの厳しいオーラをまとっていた小栗さんとは、その場ですぐに解散した。
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