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逆ナン
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通りを歩いていると、突然、前から来た2人の女の子に声をかけられた。
「あのー。お二人ですか?もし良かったらこれから一緒に飲みに行きませんか?」
おお!逆ナン?
声をかけた女の子はキラキラした目で小栗さんを見てた。
そうだよなぁ。
こんなにカッコいい人、ほっとけないよなぁ。
分かる。分かるよ。声をかけたくなるよね。
お近づきになりたくなるよね。
そう、酔った頭で考えてたら、隣から聞いたことのない低い声が響いた。
「え?それ、俺たちに言ってるの?」
お、小栗さん⁈
さっきまで、ハリウッドオーラ、抑えてましたよね?
この一瞬ですごい痛いオーラ出てますけど。。
顔は笑ってるけど、何か超怖い。
さっきのセリフも、言い方は優しかったものの「お前ごときが俺に声かけれると思ってんの?」って言う雰囲気で。
こ、怖い。
女の子はそれにひるんだのか、今度は俺に向かって話しかけて来た。
「そうです!お兄さん達、かなりカッコいいですよね?モデルさんとかみたい!ぜひ、ご一緒させて欲しいな〜って」
甘えるように俺を見る。
そうだよねー。小栗さん、モデルみたいだよね〜と頭のどこかで頷いた。
「今、君達にかまってる暇ないんだよね。大事な接待中なの」
俺が答える前に、小栗さんがニコリとそう答えて、俺の腰に手を添えた。
顔は笑ってるけど怖いよ〜。
て言うか!手!手が腰にっ!何?何?
小栗さーーん!
女の子は俺に助けを求めるようにこっちを見てる。
俺はそれどころじゃないんだよ。
「あーえ〜と、ごめんね?」
と、そそくさと彼女達を振り切った。
諦めたのか、2人はそれ以上追いかけてこなかった。
直ぐ諦めてくれて良かった〜…って!
何か…小栗さんに触られてる所が熱くてムズムズするんですけど!
もう女の子達いなくなったし、離してくれないかな。
だって、なんか熱くて変な気分になる。
「…やっぱり、よく声かけられるのか?」
「え?え?あ、僕ですか?僕は滅多にないですよ?」
うん。俺はそんなに声かけられる事はない。
てか、何か怒ってるの?怖さが抜けてないんですけど…
「今のは小栗さんに声かけたんですよ!
今の子、小栗さん見る目がハートでしたよ?」
「後ろの子は、佐藤君のこと見てたよ?」
あれ?そうだった?気付かなかった。
前にいた子しか見てなかった。
小栗さんに気安く声をかけれるなんて、羨ましいなって思ったんだよね。
俺も、可愛い女の子だったら、このオーラにもめげずに近寄れるのかな?
触れられている手を、素直に嬉しいと受け入れられるのかな?
なんて。
…っって!
今俺、何考えた⁈
女の子だったら⁈
我ながら意味わかんない!
小栗さんとは仕事の関係!それ以上でも以下でもない!
「佐藤君?どうした?一人百面相して」
「な、な、何でもないです!」
いつの間にか、小栗さんから怖さが消えて腰にあった手も外されていて、触れられていた部分がなぜか寒く感じた。
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