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再会 …3
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前回と同じパソコンの前に着くと、すぐに作業にとりかかった。
一度OKの出た製品と言えど、確認するデータ量は半端なく、急に責任感をズシリと感じた俺は周りを見る余裕もなくひたすら仕事に没頭した。
作業2日目の木曜日。
この日もデータとにらめっこ。
気付いたら夜の23時を回ってた。
ここは、24時間稼働している部屋なので、常に作業している人がいるし、窓がなくて外の様子が分からないので、気を付けないと、時間を見失ってしまう。
自社で待機してくれている佐々木さんと電話でやりとりをしながら、何とか明日の締め切りまでの道筋が見えた時、小栗さんが作業ルームにやって来た。
「遅くまでお疲れ様。こっちの都合で短納期になってしまって悪いね。
状況はどんな?」
「あと、ここと、ここを確認したら、今日は終わりにします。
明日の午前中にはデータをまとめて、お渡し出来ます」
そう答えると、小栗さんが少し考えて言った
「帰るのは明日?」
「あ、いえ。念のためホテルは明日の分もとってますし、まだ帰りのチケットも取っていませんが」
「なら、無理せずに、今日はここまででいいよ。
明日は朝から会議があって、データもらっても見れないし、データ出してくれるのは午後でいいから。
…でいいかな?明日帰りたければ、今日頑張ってくれても良いけど」
そっか、俺が帰らないと小栗さんも帰れないんだろう。
片付けてしまいたいけど、今日はここまでにしよう。
「分かりました。今日はここまでにします。遅くまで作業してしまってすみません」
「いや、こっちが作業してもらっている方なんだから。
とりあえず、今日は帰って休んで?」
小栗さんは、まだ仕事があるらしく、すぐに去って行った。
去り際に、流し目で微笑まれて、俺はあの変なドキドキを思い出してしまった。
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