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突然のお誘い
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3月になってすぐの土曜日、小栗さんから
"来週打ち合わせがあって、明日そっちに移動します。都合が会えば夜飯でも行こう"
という、連絡が来た。
明日は日曜日。
暇!予定があったとしても暇!
俺は"行きたいです!"という返事を送る。
"次の日仕事だから、夜ゆっくり会えないんだけど、ごめんね"
これは…夜一緒に過ごせないって、その…ゴニョゴニョは無理って事だよね…
ちょっと残念。だけど、会えるだけでも十分嬉しい!
"ゆっくり出来ないのは残念だけど、会えるだけでも嬉しいです!"
と返事した。
次の日、小栗さんは夕方の便で羽田に着くそうで、着いたら連絡をしてくれることになった。
落ち着かなく一日を過ごす。
小栗さんが来るわけじゃないのに、部屋の掃除をしたりして…
17時を過ぎたくらいで"もうすぐ着くので、準備して待ってて"と連絡が来た。
待ってて…って、家で待ってればいいのかな?
待ち合わせはどこだろう?と、連絡するも返事が来ない。
…待ち合わせ場所が分からないのに、出かけるわけには行かなくて、部屋でそわそわしていたら、30分後に連絡が来て"着いたよ。降りて来て"との事だった。
え?着いた?どこに?
とりあえず、アパートの階段を降りて外に出ると…
「あっ!!」
白のN-BOX車に寄りかかるように、小栗さんが立っていた。
白いTシャツの上にグレーのパーカー、下は濃い色のデニムとレザーのスニーカーを合わせていてシンプルなんだけど、そこに革紐のネックレスを合わせているのがなんともオシャレだった。
俺を見つけてフワリと微笑んで片手を挙げる。
何度も思うけど、絵になります。
雑誌を飾りそうな一コマです。
そこに並ぶのがなんだかむず痒い。
小走りで小栗さんにかけよった。
「お疲れ様ですっ!車、どうしたんですか?」
「これ?レンタカーだよ。もっとちゃんとした車が良かったんだけど、これしか空いてなくて。…ま、とりあえず乗って」
そう言って、助手席のドアを開けてくれた。
わわ。こんなことされたの始めて…何か俺、彼女みたい。
へへっ
「お邪魔しますっ」
俺が乗り込むと静かにドアを閉めてくれ、小栗さんもすぐ乗り込んで来た。
「突然誘って悪かったね」
と言って、指で俺の頬をスルリとなでた。
久しぶりの小栗さんの手に緊張してしまう。
俺が「いいえ!」と答えると、小栗さんは目を細めて嬉しそうにしてから、車を発進した。
ドキドキ。
なんだよ、もう。
今の嬉しそうな顔とか、反則ですから!!
それに、運転する小栗さん、かっこいい。
運転上手いし、また尊敬する部分が増えた。
「佐藤君、お腹空いてる?」
「はい!」
と、返事したのと同時に、俺のお腹がグゥーと鳴った。
ううっ、ちょっといい雰囲気だったのが台無し…
小栗さんはクスリと笑ってから
「良かった。焼肉予約したんだ」
と言った。
「あの…どうして、今日は車なんですか?」
と問えば
「ん?この方が、二人の時間が多いし」
とサラっと答えた。
小栗さんのこれは天然なんだろうか…
甘い雰囲気にする天才だよ。
いつも、このペースにやられるんだよなぁ。
はぁ…
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