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不安
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小栗さんが家を出る時、俺もアパートまで送ってもらった。
小栗さんは、家で待っていてもいいよって言ってくれたけど、さすがに服を着替えたかったし、一度帰ることにした。
用事が終わったら連絡をくれると言う約束で、その場は別れた。
昼はカップ麺を食べてゴロゴロしながらテレビを見ていた。
なかなか小栗さんから連絡が来ない…
忙しいのかな?
何かトラブルがあったのかな?
録画したバラエティを見ていたら、スマホが震えて小栗さんの着信を知らせた。
「もっ、もしもしっ!」
『あ、佐藤君?あのさ…その、実は会社でトラブルが起きてしまって…今日、会えるか分からなくなってしまったんだ。
本当に申し訳ないんだけど…今度埋め合わせするから…』
今までドキドキして電話を待っていたのに、急にその高鳴りが萎んでしまった…
でも、仕方ない。
仕事なんだもん。
「分かりました。残念ですけど…また、次を楽しみにしてます」
『昨日から俺、いいとこないな。…本当にごめ「あ、小栗くん!ここにいた!行くよ!」…あ!ごめん。じゃ、また連絡する』
そうして、俺が返事する前に、電話はプツリと切れてしまった。
何か、途中で女の人の声が聞こえたんだけど…
誰だろう?
加藤さんと会うんじゃなかったの?
…いや、加藤さんだけと会うとは言ってない。
加藤さん以外に会社の人がいるのかもしれない。
でも、あの人「小栗くん」って言ってた…
仲が良いのかな?
考えたら、何か急に悲しくなって来た。
いやいや!何で悲しくなるの?
会えなくなったのは残念だけど、そのくらいで悲しむのは間違ってるよね。うん。
小栗さんは仕事!忙しい人なんだから!
仕方ない!
それから俺は、付けっ放しにしていたバラエティをただボンヤリ眺めて過ごした。
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