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次の約束
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昼過ぎまでベッドでゴロゴロさせてもらったら、だいぶ身体が動くようになった。
改めて、小栗さんの部屋を観察する。
寝室のベッドはなぜかダブルサイズ。
どうしてダブルなのか聞いたら、シングルは背の高い小栗さんには小さいらしく、今回の引越しを機にセミダブルを買うつもりだったけど、欲しかったマットレスのセミダブルが売り切れてて、ダブルにしたそうだ。
なぜか枕が二つあったので、まだ見ぬ誰かに嫉妬しそうになったけど「佐藤君用の枕だよ」って、サラリと言われた。
なんだよ…それ…。
冗談にしても恥ずかしい…
リビングは広目でベランダから入る日差しが気持ち良い。
ベランダの下は大きな道路が見えるんだけど、窓を閉めると、車の音はほとんど聞こえない。
夜中も車通りが多いから、防音対策してあるんだって…
へ、へえ…
それでか、うん。それでか。
そうそう…昼過ぎにリビングに移動した時、ラグは洗濯されてました…
ウォッシャブルなんだって。
へー…
…いや、汚してごめんなさい。
穴があったら入りたい。ううっ。
いちいち色々思い出して、疲れた。
長居したら迷惑かなって思ってたけど、小栗さんに夕飯に誘われて、結局一日テレビ見たりしてゴロゴロした。
小栗さんちのテレビはネットに繋がっていて、オンデマンドで映画とか見れて楽しかった。
なんと言っても、普段は絶対見れないボーッとした小栗さんが見れて、楽しかった。
夕飯はちょっと早めに出かけて、和食レストランでのんびり過ごした。
夕飯を食べてる途中で、小栗さんが仕事の事を話し始めた。
「佐藤君、ゴールデンウィーク明けのうちの仕事の話、聞いた?」
「いえ…また小栗さんの所から依頼あるんですか?」
「うん。依頼はもう出してるんだけど…佐藤君に話行ってないのかな…」
そう言ってしばらく考えて「分かった」と、何か一人で納得していた。
何だろ?
「ゴールデンウィークと言えば、佐藤君、何か予定入ってる?休みはカレンダー通り?」
そうだ。
今週出社したら、もうGWだ!
「はい。カレンダー通りです。そうですね…前半はボチボチ予定があるんですけど…後半は予定ないですね。ゴロゴロするつもりで…」
「そうか。俺も後半空いてるから、良かったらどこか行かない?」
えっ!やった!
小栗さんと二人で出かけられるんだ。
超嬉しい!
「っ!はい!行きたいです!」
「どこか行きたい所ある?」
「うーん…そうですねぇ…」
小栗さんと一緒ならどこでも良いんだけど…
はて…男同士だと何処がいいだろ…
俺が「うーん」しか言わないからか、小栗さんが笑って「直前までゆっくり決めていいよ」と言ってくれた。
次の約束があるのって、本当に嬉しい!
どこに行こうかな〜
夕飯後はアパートの前まで送ってもらった。
アパートの前に車を停めてすぐ、小栗さんが俺の手にそっと指を絡めた。
何度こうやって手をつないでも、その気持ちよさにドキドキする。
「また連絡する」
「僕も、連絡します。…じゃ、小栗さん、気を付けて帰ってくださいね」
キュッと優しく握り返した手は、俺がドアに手を掛けるまで握られたままだった。
小栗さんが、甘い…
この優しさが何から来るのか、考えてしまう。
そして、俺の都合の良いように勘違いしそうになるよ。
でも…男ってさ、愛がなくても、やれちゃうんだよね。
脳より下半身が快感を求めて行動しちゃうんだよ。
そういうの分かってるから…
だから、簡単に勘違いしちゃだめだと、俺は自分に言い聞かせた。
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