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南房総デート
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夜光虫を見るには、明るいうちに海岸などをチェックして、赤いプランクトンが発生しているところを探すらしい。
その赤いプランクトンが夜になると光るとのこと。
小栗さんが向かった先は千葉の南房総で、そこでいくつかの海岸を見て回った。
一番良さそうな所にあたりを付けた後、道の駅をブラブラ。
それから、小栗さんが予約してくれていたお店に夕飯を食べに行った。
人気のお店らしいけど、ちょうどキャンセルが出たところで予約が取れたみたい。
ラッキー!
そのお店は海鮮を自分で網で焼いて食べられる所で、俺は一人ではしゃいで海老やら貝やらを焼いていた。
途中でハッと気付くと、そんな俺を小栗さんが面白そうに見ている。
「ごめんなさい。一人で変なテンションで」
「いや、楽しいよ?」
そう言って、ニコリと微笑む。
うっ、キラキラ笑顔が痛い。
「し、失礼します!えっと…あの…あ、お造り、お持ちしましたっ!」
ちょうどその場に来た女性店員さんが、小栗さんの笑顔にやられたのか顔を真っ赤にして去って行った。
「…小栗さんの笑顔は…凶器ですね」
「なにそれ?」
「いえ。カッコ良すぎるのも大変だなぁ、と」
「はは。佐藤君も十分カッコ良いと思うけど?あ、でも、初めて会った時と比べると今は……あ、いや、なんでもない」
「え?なんですか?気になるじゃないですか!
…僕、何か…変ですか?」
元からカッコ良いつもりはないけど…
話の流れからすると、前と比べると今の俺はカッコ良くないってことだよね?
髪伸ばしたのとか、服装変えたのとか、変なのかな?
…って、ちょっと落ち込みかけた時、小栗さんが少し照れた感じで言った。
「あー違うよ。ごめん。何てゆーか、前と比べると、だいぶ可愛くなったな…と。…いや、男に可愛いとか言うの、悪いかな、と思って言わなかったんだけど」
「……」
「あ、ごめん!可愛いなんて言って。とにかく、変とかじゃないよ。気にしないで…」
「いえ……あ、ありがとうございます」
一瞬で、顔が熱くなった。
小栗さんに、可愛いって言われるのは、くすぐったくて嬉しい。
てか小栗さん、あの最中には、俺のこと散々可愛いとか言っておきながら…今さら言い淀むとか…
あれ?もしかして…あの時の可愛いと、今の可愛いは違う意味?
きゃー!何それ、何それ?
「どうしたの?顔赤いけど?」
「えっ。あっ、ビール。空きっ腹に飲んだのが効いたのかもっ!ていうか、また俺だけ飲んですみません」
「いーよ。いつも言うけど、酔った佐藤君、好きだから」
「えっ⁈」
『好き』と言う言葉に反応してしまった。
落ち着け、俺。
今のは『酔った佐藤君』が、面白くて好きとか、そう言う意味だから。
「あ、じゃあ今度は、泊りで何処か行こうか?そしたら俺も飲めるし」
「っ!いいですね!楽しそうです!」
「ん。そうだな」
それから、旅行に行くなら何処がいいかって話になったんだけど。
また、小栗さんとの約束が出来た。
それがすごく嬉しかった。
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