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お見舞い …2
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お昼ご飯を食べ終わって、小栗さんが買って来てくれた風邪薬を飲んだ。
「ほら、横になって?」
小栗さんがしつこくいうから、とりあえずベッドに腰掛ける。
せっかく小栗さんが来てるのに、寝たくない。
それに、おかゆ食べてからなんか調子良い。
「熱、もう無さそうなので…
あの、それより出張って……一人で、ですか?」
ふと、河野さんの事を思い出したら、聞かずにはいられなかった。
「ん?あぁ、河野と一緒だよ」
チクリ…
やっぱり…河野さんの言ってた通りなんだ…
河野さん、出張中に何か仕掛けたりするつもりなのかな…
同じホテルだろうし…
あぁ、俺の心はドス黒い妄想でいっぱいだ。
「河野さんと出張って…多いんですか?」
「いや、今回のジョブだけだろ?
…何?河野のことが気になるの?」
小栗さんが少し厳しい顔をした。
「えっ?いやっ…あの…その……」
「まぁ、そうだな。前に一度…あぁ、携帯入れ替わって連絡取れなかった時あったろ?あの次の日曜日から、3日くらいかな?九州に行ったよ。今回は金曜日までの予定。
あとは…佐藤君ところのプログラム組込みが終わったら、また行く予定だけど。まぁ、それは1日か2日で終わると思うよ」
えっ?
携帯が入れ替わった「あの次の日曜日から」って…
携帯が入れ替わった事を小栗さんから連絡もらって、途中で電話の向こうから河野さんの声がした時…
あの時「また明日ね」って聞こえたのは、出張に行くことだったんだ!
プライベートとかじゃなかった!!
良かった〜
「ふふっ。はい、分かりました」
思わず笑いが出てきた。
「何か可笑しい?」
「いえ…細かく教えてくれて…嬉しいです」
「俺のことなら、聞かれれば何でも答えるけどね…」
小栗さんが軽くため息を吐いた。
ん?何か気に障ること言ったかな?
「それより…ほら、横になって」
「いえ…大丈夫です。あ、コーヒーか何か飲みますか?インスタントですけど…」
「いいから…ほら」
小栗さんはそう言って、俺の頬を両手で包んだ。
キス…されるのかな?
と思ったら、おでこをゴツンとぶつけられた。
「んー?やっぱりまだ少し熱いぞ」
小栗さんがおでこをくっつけたままそう言った。
ゆっくりと顔が離れる…
あ…もっと触れていたかったのに…
そう思って小栗さんを見上げたら、小栗さんが顔を少し離した所で止まった。
そして、すうっと目を細める。
「その目…熱のせい?」
俺が黙って見続けると、ゆっくり…ゆっくりと顔が近付いて来て…
そっと触れるだけのキスをされた。
小栗さんの唇が何時もより冷たく感じるのは、俺に熱があるから?
もう一度、唇が近付く。
今度はさっきより力強く押し付けられた。
柔らかくて…甘い…
角度を変えて、優しく啄ばまれる。
小栗さんの手が、俺の後頭部と腰に回された。
「ん…」
小栗さんの手つきに吐息が漏れる。
それを合図にしたように、小栗さんが俺の唇をそっと舐めた。
「んっ…ダメ、です!…風邪移っちゃ…」
「大丈夫…」
俺が拒むのも構わず、開いた口に小栗さんの舌が滑り込んで来た。
「ぅう…ん」
小栗さんに舌を絡められて、感激で身体が震えた。
「やっぱり…熱いな。…まだ、熱があるみたいだから…横になって?」
小栗さんが唇を離して、俺をそっとベッドに倒した。
離れようとする身体に、俺は咄嗟に手を伸ばす。
小栗さんの首に手を回して、離れないように引き止めた。
そんな俺を、小栗さんが優しく見下ろす。
「どうした?…なんかいつもと様子が違うけど…何かあったのか?」
「…いえ、何にもないです」
本音は…
これから河野さんと会って、二人で出張に行くと思ったら、小栗さんの事を離したくないんだ。
俺は小栗さんの身体を引き寄せた。
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