アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
お揃いの
-
二人で余韻にしばらく浸った後、小栗さんが俺をシャワーに連れて行ってくれた。
上手く立てない俺を、小栗さんが優しく洗ってくれる。
二人でバスルームを出た所で時計を見ると、時間はもう13時半。
タイムリミット…
俺は小栗さんが素早く服を着ていくのをぼんやり眺めた。
「佐藤君も風邪ごじらせないように早く服着て…って、あんな事した後で言うのも変だけど…」
下着一枚だった俺を見て、小栗さんが俺のシャツを取って着せようとしてくれた。
「どうした?…大丈夫?無理させた?
…それとも、本当に何かあったんじゃないか?」
小栗さんが優しく声をかけてくれる。
嬉しくなるたびに、離れ難くなるよ…
「ねえ?今、誰のこと、考えてる?」
「え?」
顔を上げると、いつの間にか小栗さんの顔がすごく近くにあって、キスされる!と思ったら、唇を通り越して右の首筋にキスが落とされた。
「んっ」
チクリと痛みを感じると同時に「チュッ」と唇が離される。
左の胸の辺りも同様にキスが落とされた。
キスされたところを見ると…真っ赤な跡が残されていた。
キス…マーク?
突然どうしたのかな?
そっとその部分に指を這わせる。
また、証が出来た。
嬉しい。
小栗さんが、隣に腰掛けた。
「前にさ…俺にも付けたいって言ったろ?」
そう言いながらシャツのボタンに手をかけて、ボタンを3つ目まで開けた。
インナーをグイッと引っ張って「付けて」と言う。
え?え?どう言うこと?
多分、キスマークを付けてって事だよね?
「あの…つけられたら困るんじゃ無いですか?」
前に、拒否られたことを思い出す。
「何で?…って、あぁ、前回か。あれは、ジムに行く予定があったから…。やっぱり誰かに見られるのは恥ずかしいからね」
俺を見る目が、少し細められた。
あぁ、アレはそう言う理由だったんだ。
他に女がいるのかと思ったけど、杞憂だったんだ。
…良かったぁ。
ていうか。
小栗さんは、俺のこと心配してくれたけど、小栗さんこそ何かあったのかな?
こんな風に、キスマーク付けさせてくれるなんて…
俺が色々考えてると、小栗さんが前を開けていた手を離して何だか複雑な顔をした。
「付けたくない?」
「いえっ!付けたい…です」
小栗さんは俺の答えにフッと笑って、再びインナーをぐいと引っ張ってくれた。
俺はゆっくりと小栗さんの心臓の上あたりに唇を寄せて…赤い花を咲かせる。
俺の気持ちが篭るように、しっかりと。
「お揃いだな」
小栗さんがキスマークを見てフッと笑った。
お揃いのキスマーク。
会えなくても、河野さんが一緒でも、凹まない魔法のしるしに見えた。
それから、小栗さんを玄関まで見送って、出る直前にまたキスをくれて…
「またな」
と言って、小栗さんは去って行った。
もう、気持ちが溢れて、誤魔化しきれない。
嬉しさが募るのと比例して、苦しさも増すんだ。
そのうち、ちゃんと伝えなきゃ。
このままだと、俺、どうにかなっちゃいそう。
河野さんは、河野さん。
俺は、俺。
例え受け入れられなくても、小栗さんは仕事とプライベートはきちんと分けてくれる人だ。
俺の想いを、ちゃんと言葉にして…
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
136 / 559