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【番外編】 小栗雅治の独白 6
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半月後、また仕事で佐藤君と一緒になった。
久しぶりに会う彼は、笑顔で俺を迎えてくれた。
この子はこんなに可愛く笑う子だったろうか?
まぁ、ここの現場に慣れて緊張が取れたせいかもな。
なんて考えながら一緒にエレベーターに乗る。
「また佐藤君が担当で良かった。こんなにすぐに会えるなんて嬉しいよ」
決して下心があった訳じゃ、……ない、とは言い切れない。
とりあえず、歓迎していることを伝えたかった。
「僕も小栗さんが担当で嬉しいです」
なんて。
俺の予想の上を行く返事が返って来た。
はは…
本当、彼には色々と驚かされる。
面白い。
今回、スケジュールが3日しかないことを、とても残念に思った。
次の日、深夜遅くに佐藤君の様子を見に行った。
と言うか、忙しくてその時間まで佐藤君に構うことが出来なかった。
放ったらかして申し訳ない。
作業ルームに入って、彼の姿を見つける。
こんなに夜遅くに、機械に囲まれて一人真剣に作業をしているその後ろ姿を見たら、思わず抱きしめたい衝動に駆られた。
ハァ…
…俺は、何をしようとしてんだか…。
とりあえず平静を保って、彼に話しかける。
仕事の報告を聞きながらふと思いついた事があった。
明日、もし東京に戻らずにこっちに泊まってくれるなら…
飲みに誘おうか。
邪魔はいらない。
二人で…今回の彼をねぎらいたい。
疲れた顔の佐藤君を見たら、思わず頬に触れたくなる。
出そうになった手を引っ込めて、簡単に挨拶を済ませてその場を後にした。
事務所に戻る途中、佐藤君の泊まっているホテルに予約の電話を入れた。
うん。アレだ。
俺は車通勤なんだけど、車を会社に置いてタクシーでうちまで帰るのと、ホテルに泊まるのと、そんなに出費は変わらないし。次の土曜日に、わざわざ車を会社に取りに行くのが嫌だし。
…そうだそうだ。
なんて、自分に言い聞かせたけど、本心は…
仕事が終わって深夜過ぎに自宅に戻った俺は、ほとほと困っていた。
明日、佐藤君を飲みに誘おうと決めた後から、なぜか落ち着かないのだ。
マジ、ダサい。
身体の火照りの行き場がない。
明日、佐藤君と飲みに行けたら、またあの潤んだ目を見られるだろうか。
なんて考えただけで、脳より先に…と言うか、脳に関係なく身体が反応する。
身体が快感を求めている。
こういう時、男の馬鹿さを痛感する。
冷蔵庫からビールを取り出し、それを飲みながらソファに腰掛けた。
「……」
ダメだ。また明日の事を考えそうになった。
テレビでも見よ。
そう思ってテレビのリモコンを操作した。
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