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【番外編】 小栗雅治の独白 12
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数日後、部長に呼び出された。
その内容は「本社で新しいチームを立ち上げる計画がある」という事だった。
「小栗、本社に戻る気はあるか?」
「え?」
「その新しいチームのメンバーにお前の名前が入っている。とりあえず、年明けの本社での打ち合わせに参加しろ。そこで今後の詳細が決まるだろうよ。
詳細はまだ非公開らしい。お前もまだ周りには言うなよ?」
「…そう、ですか。分かりました」
本社への異動…
こうやって振り回されるのは、サラリーマンの悲しいところだな。
ここでやりたい仕事はまだまだある。
断る事は出来るだろうか?
来月、本社か…
もし異動になったら、佐藤君と関わる事は無くなるのだろうか?
…あぁ、何考えてんだ。
そんなの仕事と天秤にかけるまでもない。
仕事優先だろ?
でももし、もう仕事で関われないなら…
最後にもう一度…会いたい。
微妙な状態で別れたまま終わるのは嫌だ。
せっかく行き先が本社…東京なんだ。
声、かけてみようか?
ダメならダメでいい。
何か会う口実を考えて、連絡してみよう。
その日の定時後、休憩中に佐藤君にメールをした。
期待はしていなかったけど…
まさか、速攻で返事が来てしかもあっさりと個人アドレスをゲット出来るとは。
…会える。
彼の人柄が出た文面に、心がホワリとした。
その後、仕事に戻ったら、加藤から「何?何かいい事あった?」とニヤけられた。
煩い…ほっとけ。
それから、あっという間に年末になった。
29日、ヤマから明日の詳細が来た。
「合コン…やっぱめんどくせー…」
学生時代は、よくヤマに誘われて合コンに参加してた。
気に入った女は、俺がそれらしい態度を取ると、向こうから寄ってきた。
女に困った事は、一度もない。
社会人になってから、特に九州に来てからは落ち着いたが…
なのに、今やそれが面倒臭いと来た。
あー、ダメダメ。
面倒臭いと思うのは年のせい?
それより、俺のこの欲求不満をなんとかしなければ。
せっかく佐藤君と会える事になったのだ。
良い感じで、爽やかに終わりたいじゃないか。
…スッキリして会いに行こう。
そうして、30日が来た。
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