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【番外編】 小栗雅治の独白 17
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お互いに服を脱がせ合い下着一枚になって、ベッドへ佐藤君を押し倒す。
その時、カサリ、と何かが俺の手に張り付いた。
何気なく目をやると…
それは、コンドームの空き袋だった。
……
こ…れは?
そうか…
あぁ、そうか。
佐藤君にはこれを使う相手が他にいるのか。
俺は…セフレ?
それとも、また酔った勢い?
クソ…
あれだけ確認したのに。
一気に気持ちが沈んでしまった。
結局、俺の気持ちは一方通行だったのか?
ベッドに腰掛けて呆然としていたら、佐藤君が俺の背中に抱きついてきた。
「自分で!……自分に、使ったんです!」
え?
…自分に?
「自分に。その……実は、小栗さんと繋がりたくて……穴を…後ろの穴を、ほぐす練習してたんです」
俺と繋がりたい、と言う言葉に、思わず振り向いた。
「コンドームは、昨日その練習に、バイブに…使って。…その…自分に入れようとして…」
彼の言っている事が、すぐに飲み込めなかった。
「え?…自分に、入れる?」
何を?自分に?
ちょっと待て…混乱…
「はい。手をつないだ時の相性が良いと、身体が繋がった時の相性も良いって聞いて…その…」
つまり、俺と後ろの穴でセックスするために、バイブで練習しようとしたと?
佐藤君の言っている事を理解して、胸が掴まれたように痛くなった。
嘘だろ?
普通、そこまでするか?
「昨日初めて…それを入れたんですけど…全然気持ち良くならなくて…て言うか、痛くて怖くて、入らなくて…その…
こんな事して、俺、気持ち悪いですよね。
…ごめんなさい」
俺の…ために、だよな?
俺と繋がりたくて、自分を仕込もうとしたって事か?
なんだそれ?
痛かった?怖かった?
なのに、そんな事までしてくれたのか?
あぁ…
佐藤君が、言葉では言い表せないくらい愛おしく感じた。
今すぐ抱きしめて、全てを俺のものにしたい。
さっき萎んだ気持ちが、一気に上昇して俺の昂りを蘇らせる。
「ありがとう」
俺のために、ありがとう。
その想いの全てを受け止めたい。
ベッドに押し倒して、俺の欲を注ぐように舌を差し込む。
妄想で終わりかと思っていた事が、目の前に準備された。
佐藤君の中に入りたい。
佐藤君と…繋がりたい。
俺の中心に痛いほど熱が篭る。
例え身体の関係になっても、ここまでくるとは想像していなかった。
まさか、妄想が現実になるなんて。
そして、妄想ばかりで、何も調べてなかった自分に腹が立った。
とりあえず、照れ隠しの為に意地悪を装って、どうやって挿れたらいいのかを聞き出した。
佐藤君は色々調べた挙句、負担のある「受け」を選択してしてくれていた…
「俺は、小栗さんと…その…繋がりたいんです」
佐藤君は恥ずかしそうに、長いまつ毛を震わせながら俺を見る。
……
…………
その時、ギャグかと言われるかもしれないけど、ぱあっと脳内に花が咲いたような感覚がした。
我慢できない。
佐藤君の全てが欲しい。
俺を佐藤君にねじ込んで、グチャグチャにしたい。
身体が佐藤君を求めて息苦しくなる。
全てを食い尽くす思いで身体中に唇を這わせた。
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