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結果報告 …2
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『…ちょっと、聞いてる?』
「あ!ハイ!スミマセン!…あの…その節は、ご迷惑をおかけして、すみませんでした」
『いいのよ。って言うか私の方がやり過ぎてたっていう自覚があるから。謝りたいのもあって連絡したのよ。
…私、色々好き勝手言って、困らせてごめんなさいね』
「え?」
まさか、あの時の事を謝られるなんて思いもよらなかった。
このために、電話を…?
『あー…なんて言うの?小栗くんとはこれからも仕事で長く付き合う予定だし?わだかまりを作りたくないのよ。あなたとも会社で顔を合わせる事があるかも知れないしね?
…それだけよ。小栗くんに、宜しく言っといてくれたら助かるわ』
少し照れた声になった気がして、思わず微笑んだ。
真面目で、真っ直ぐな人なんだなぁ…
乙女心はよく分からないけど、雅治さんに嫌われたくないのは…分かる。
「分かりました。ま…小栗さんにはちゃんと伝えておきます」
『うん。ありがと…。
それにしても、あの小栗くんが男を選ぶなんてねぇ…』
その言葉にドキリとした。
もしかして、男同士を…軽蔑されてる?
『まぁ、なんと言うか…個人的には相手が男で良かったわ。女に奪われるより男に奪われた方が、なんか諦め易いし』
「?はぁ」
軽蔑されてる訳じゃ、ない?
河野さんは、フフフッと笑った。
『どこぞの馬の骨より断然良いってことよ。それに私、あなたのこと小栗くんのパートナーとしてちゃんと納得してるから。
…相手があなたで良かった』
「あ、そう、ですか?あの…ありがとうございます」
河野さんって…すごい。
俺だったら、こんな風に相手のこと認められない。
しかも失恋して一週間も経ってないのに。
って言うか、男の方が多いあの職場で女性が認められるには、このくらい強くないとダメなのかも…
河野さんも苦労してるんだろうな、とかボンヤリ考えた。
『なんて言うか…あの小栗くんが、人前であんなに感情剥き出しのキスするなんて思わなかったわ。…ふふ。今思い出しても笑いが出る…』
笑い?
あんなの見せられたら、辛いんじゃ…
「えっ?…あ、えっ…と」
クスクスと思い出し笑いをしていた河野さんが、俺の困惑した様子に気付いたのか、言葉を継いだ。
『まあ、最初はショック受けたわよ?でも、後になって、あんなに取り乱した小栗くん見た事ないなって思って。…ふふっ。小栗くんにあんな顔させるあなたって、本当に最高だわ』
「…はぁ。…あの、ありがとうございます」
これは、俺の事、褒めてくれてるんだよね?
そう思ってお礼を言った。
『そういうところ。素直な感じ。小栗くんもきっとそこに惹かれたんでしょうね』
「えっ?」
『ま、そう言う事で。…遅くにごめんなさいね。
あぁ、もしなにか困った事があれば遠慮なくどうぞ。相談くらい乗るわよ?小栗くん相手だと、色々大変だろうしね』
河野さんはまた「ふふっ」と笑った。
「あ、ありがとうございます…」
それから「おやすみなさい」と簡単に挨拶を交わして電話を切った。
「はぁぁぁ」
緊張したぁー
河野さんって、最初は怖くて嫌な奴だったけど…
なんか、この電話で、河野さんの印象がだいぶ変わった。
まぁ、俺が雅治さんと付き合えて、心に余裕が出来たってのが大きいのかも知れないけど。
ただ、心にあったあの時のわだかまりみたいな物が、ほとんど消えてなくなった。
今度会った時はもっと仲良く出来たらいいな、なーんて事を思った。
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