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言えないこと …1
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二次会は、カラオケ。
曲の合間に、「合コンしたい!」と誰かが突然言い出した。
「あたし友達集めてもいいよ〜?」
と、女子の一人が言う。
俺は他人事のように、その話を聞いてたんだけど…
「さとちゃんは?合コン来る?」
と、リーさんから聞かれた。
「えっ⁈俺⁈…いや〜ごめん。最近忙しくて、それどころじゃないや…」
あはは、と誤魔化すと…
「行けば良いじゃん?長いこと一人なんだし」
なんてオカが言い出した。
「ちょっ、オカ⁈」
オカ、俺が好きな人がいること知ってるのに。
何で、そんなこと言うの?
「わ!さとちゃんが来てくれたら、私の友達も喜ぶなぁ!」
「えっ?俺じゃ不満??」
「うーん。ボチボチ?」
「「あはは…」」
皆は何だか盛り上がってるけど、俺はどんどん気持ちが落ちて来ていた。
付き合ってる人がいるって言えたら、こんなに悩まないのにな。
…いっその事、言ってしまおうか?
相手が男って言わなきゃ言いんだし。
でも、変に詳細聞かれても困るし。
やっぱり、言えないなぁ。
合コンの話は、次の曲が始まってから中断した。
だけど、カラオケ店を出る時になって
「気が変わったら連絡しろよ?待ってるからな?」
と、念を押された。
皆で駅前まで歩いて、じゃあ解散!となった時、突然オカが俺の肩に腕を回して来た。
「俺ら二人は、夜の街に消えま〜す!」
「えっ⁈ちょっ⁈オカ?」
今日のオカは俺に対してなんか変な感じだ。
そうして、オカに引きずられるようにして連れてこられたのは、いつものバーだった。
「マスター!こんばんは!」
「おっ!岡本君、佐藤君!いらっしゃい」
マスターが、カウンターを手で指して「どうぞ」と笑った。
あ、そう言えば、マスターに雅治さんのこと、言ってなかったな。
カウンターのイスに腰を下ろしながら、そんな事を思った。
「マスター、おまかせ二つね!」
オカは、そう注文をした後、黙ってしまった。
「あの…オカ?」
「…さとちんさぁ、まだ例の年上の女、追っかけてんの?」
オカが突然、それまでの笑顔を消して、俺を見ずにそんな事を言い出した。
「え?」
「…さっき、さとちん彼女出来てないって言ったろ?でもさ、リーさんが言うように、なんつーか、余裕みたいなのがあんだよ。…もしかしてさ、身体だけの関係とか、続けてんの?」
オカが横目で俺を見た。
えっと…これは?
俺が、その「年上の女」と身体だけの関係を続けていると思って、怒ってるの?
…あ!
もしかして、前にマスターが「不倫してると思ってた」と言っていたように、オカも俺が不倫してると思ってるのかもしれない。
そこはちゃんと、否定しないと。
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