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友人の反応 …2
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「オカ…あの……。誰にも言わないで欲しいのと…出来たら引かないで欲しいんだけど…」
あ。引かないで、は俺のワガママか…
オカが小さく『うん』と言った。
「俺、あの人と、付き合って…る」
しばらく、お互い沈黙した。
沈黙を破ったのは、オカの長いため息だった。
『そっかー…。…なぁ?さとちん?』
「ん。何?」
『なんかさー、夢、見てるんじゃない?』
「夢?」
夢って?
オカは何を言いたいんだろう?
『そりゃさ、新しい事に興味が湧く気持ちも分からなもくないし…その…男同士なら、気持ち良いこと分かり合えるのも分からなくもないし……でも、でもさ、それって、今、盛り上がってるだけじゃないの?』
「え?…どういう?」
『だから、盛り上がってるのは今だけじゃないか?って話。そのうち覚めるんだよ。…今は夢見てるだけなんじゃないの?』
「え?そんな事ないよ!」
なんでそんな事言うの?
頭から否定されるのも辛いけど、これは…
『だって、さとちんの恋愛対象、女だろ?元からその気があるなら、俺も納得するけどさ…。そうじゃないだろ?』
「それは、そうだけど…。でも、雅治さん…あの人は、特別なんだ。男とか女とか関係なく、その…好きになった訳で…」
『…向こうは?ゲイなのか?』
「え?…いや、彼も、普通に女の人が好きだと思う」
『じゃあ、向こうも、気の迷いって事はないの?一時的な遊びみたいな?』
「!!そんな事は…ない…」
心臓が鷲掴みにされたような痛みがした。
気の迷い?
一時的な遊び?
そんな事はない。
そう、信じたい。
だけど、正解なんて本人じゃなきゃ分からない。
そんな事を、俺に言うなんて…
『…さとちん、ちょっと冷静になれよ。…久々に出来た恋人が、男ってさ…俺、心配になるよ』
「お…俺は、冷静だよ?…オカだって、俺がちゃんと悩んで考えるところ見たでしょ?彼との事は、真面目に考えて出した結論だよ」
自分でも、今の俺の態度は冷静さに欠ける、とか内心ツッコミながらも、感情的にならざるを得なかった。
俺は、雅治さんの事が好きだ。
それを、夢とか気の迷いとかで片付けられたくなかった。
オカが、また長いため息を吐いてから、こう言った。
『…ごめん。俺、混乱してるわ。ちょっと考える時間ちょうだい。
…あ、このこと、誰にも言わないから。そこは約束する』
「……うん。分かった。…ありがと」
そう返事するしかなかった。
『じゃ…また、な』
電話はあっさり切れた。
手の中のスマホを見ると、手汗で濡れている。
オカのあれは、拒絶だ…
簡単には受け入れてもらえないとは思っていたけど。
実際こうなると、辛い。
俺は盛大にため息を吐いて、オカとのこれからの関係を考えて、憂いた。
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