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二人の夏休み …2
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携帯ショップのあとは、秋物の服を二人で見に行って、カフェでお茶をして、本屋に行って次の旅行の話をしながら旅行雑誌見たりして過ごした。
手は繋げなかったけど、あても無くフラフラする感じがデートみたいで、すごく楽しかった。
途中、雅治さんの提案で、雅治さんちに置いておく用の部屋着を買った。
…予備の下着も。
「これでいつでも泊まりに来れるな」って言われた。
相変わらず、雅治さんは女性からキラキラ目線で見られたけど、そんな女性に対する態度と、俺への態度の違いがありありと見て取れて、くすぐったくておかしい。
手を繋いでなくても、バレるんじゃないか?ってくらいに、雅治さんは俺に優しかった。
夕飯は雅治さんの家で食べる事にして、デパ地下で夕飯を買ってから車に戻った。
車に乗ると、雅治さんが「陸?」と声をかけてきた。
「なんですか?」と振り返ると同時に、チュッと唇を合わされる。
「じゃ、出発」
と、何事もなかったかのように車を発進させたけど、俺の心臓は、またドキドキと激しく脈打った。
雅治さんの家に着いて、夕飯を食べた後、雅治さんがワインを開けてくれてた。
乾杯して口を付けようとした時、スマホにオカから着信があった。
…この前の話の続き…だよね?
もしそうだとしたら、雅治さんの前では話し辛い。
「出ないの?俺に気にせず寝室使って話してもいいよ」
雅治さんがそんな風に言ってくれるから、出なきゃ変な感じがして、思い切って通話ボタンを押した。
「も、しもし」
『おー。さとちん、今へーき?』
「あ、うん。大丈夫だよ」
あの日以来のオカの声は、いつも通りの明るいものの様な気がした。
『さとちん、9月最初の土曜の夜、ヒマ?』
「9月最初の土曜?」
無意識に雅治さんに目をやると、雅治さんはニコリと微笑んでくれた。
「あー…うん。大丈夫」
『じゃ、その日飲みに行こうぜ。場所と時間はまた連絡するから』
「うん。…分かった」
『じゃ、またなー』
「うん」
声は明るかったけど、あっさり切れた通話。
オカはまだ、俺のこと拒絶してるのかな…
飲みに…って、この前の話の続きだよな…
あぁ…気が重い。
「なんかあった?」
雅治さんがグラスを傾けながら聞いた。
「いえ…あの…今度、オカと飲みに行くことになりまして…」
「そう。楽しんでおいで…って、あんまり楽しそうじゃないな?オカとなんかあった?」
咄嗟に誤魔化そうかと思ったけど、無理に笑うのはなんか嫌だった。
…と言うか、雅治さんに聞いてもらって、甘えたかったのが、本音。
グラスのワインを一気にあおってから、雅治さんに向き合った。
「オカに…言ったんです。雅治さんと付き合ってること…そしたら…色々言われちゃって…」
「色々?」
「盛り上がってるのは、今だけじゃないか…とか…そういう事を。もちろん反論したんですけど、オカって一度"こう"と思ったらなかなか譲らないタイプなんで…」
「あぁ。…そっか。親友に受け入れてもらえないのは…辛いね」
雅治さんは、俺のグラスに再びワインを注いでから、自分のグラスに口を付けた。
俺は再びワインをあおった。
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