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二人の夏休み …3
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「オカ…僕だけじゃなくて、雅治さんのことも、そう言う風に。…一時的な遊びじゃないか?みたいなこと言ってて…」
雅治さんの動きが一瞬止まった。
「それも、違うって反論したんですけど…聞く耳持たない感じで…」
雅治さんが、持っていたグラスをテーブルに置いて、俺の顔を見た。
「…まさか、陸まで、俺が遊びで付き合ってるなんて思ってないよな?」
「そ、それはないです!!…ただ…」
「ただ?」
「オカに、言葉では雅治さんの良さが伝わらないのがもどかしくて…」
雅治さんがまた一瞬止まった。
…あ、俺、今、すごく恥ずかしい事を言ったような…
照れ隠しに、ワインを手酌して、口に運んだ。
オカは意地悪で言ったんじゃないにしても、俺はオカの言葉に多少傷付いていた。
雅治さんは、俺のことをちゃんと…愛…してくれてると思う。
でも、それは俺がいくら言ったってオカには通じない。
オカからしてみたら、俺は夢を見てるんだから…
「ね?…俺の事、ちゃんと信じてる?」
いつの間にか、俺の隣にまで迫って来ていた雅治さんが、肩が触れそうな距離で俺の顔を覗き込んだ。
その目は…俺を捉えようとする野獣の目だった。
「…っ、もちろん信じてます!それが、オカに伝わらなくて…辛いです」
「んー。確かに、言葉で理解してもらうのは難しいね…」
雅治さんは、俺の頬に手を添えて、親指で唇をツツッとなぞった。
「さ…最悪、理解してもらえなかったら…それまで、だと、思ってます。…オカに何を言われようと、俺は、雅治さんと別れるつもりはないので…」
再び親指が唇を往復する。
その感触にゾワッとして、自分がさっきからドキドキしている事に、気付いた。
「俺だって、誰に何を言われようと、陸を手放すつもりはないよ?…でも、親友なんだろ?…もし長くかかっても…理解してもらえるといいな」
「…ハイ。…オカには、ちゃんと理解してもらいたいです」
そうだ。
長い時間かかっても…と言うか、長い時間かけたら、オカもきっと分かってくれる。
俺の言葉に微笑んでくれた雅治さんの目線が、俺の唇に移った。
心臓が、跳ねる。
「オカに『それ見ろ』って言われないように、ずっとこうして、手を取り合っていよう?」
そう言いながら、俺の手から取ったグラスをテーブルに置いて、俺の手を握った。
「はい」
俺が手を握り返すと、雅治さんがフッと笑って俺の瞼にキスを落とした。
「…っ!」
それから、唇へとキスが移動する。
触れるだけのキスだったのに、それまで唇を触られていたせいか、敏感に反応してしまった。
心臓と言うか…腰がキュンとした。
一度顔を離した雅治さんは、今度はしっかりと唇を合わせて来た。
…ッッて!!
待って!
ヤバい!
俺の…ヤバい!
まさかの、雅治さんの目と、触れ合いそうだった肩の熱さと、親指で…それだけで、あそこが反応してしまっていた。
キスによって、それはより強固に立ち上がる…
は、恥ずかしい!
こんなに一瞬で…その…勃ったなんて!
欲求不満みたいじゃないか!!
い、いや、悪いのは雅治さんの色気なんだけれども!
だけれども!!
「んぅ…っ!」
あまりの恥ずかしさに、ベリッ!と音がする勢いで雅治さんから顔を離した。
「あっ!あの!シ、シャワー!!シャワー浴びたいですっ!!」
雅治さんは、キョトンとした後に「プッ」と笑って「分かった」と言ってくれた。
…良かった…っ。
俺にも、男としてのプライドって言うかそういうのが…色々、あるよね。
逃げるようにシャワールームへ駆け込んだ。
シャワーから上がった俺は、入れ替わりでシャワーを浴びに行った雅治さんを待っている間、歩き疲れの上にワインを飲んだせいか、いつの間にか眠ってしまっていた…
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