アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
各々の主張 …1
-
オカとの約束の日になった。
雅治さんは「近くで時間を潰してるから、一緒に帰ろう」と、迎えに来てくれることになった。
「何時になるか分からないから」と断ると
「話がこじれたら、俺が直接出て行ってもいいから」
と。だから待ってる、と言ってくれた。
確かに、オカなら「会わせろ」と言いそうな気もしなくもない。
例えそうなっても、雅治さんには迷惑はかけたくないけれど…。
でも…雅治さんが待っていてくれると思うと、オカが何を言ってきてもちゃんと向き合える気がして、心強かった。
待ち合わせの駅で会ったオカは、いつも通りのオカだった。
ちょっと目を合わせる回数が少ない以外は…
オカに連れられて、駅近くの一軒の居酒屋に入る。
予約していたらしく、オカが名前を伝えると個室に案内されて、引き戸を引くと…
あれ?
中にすでに人がいた。
「あれ?二人だけじゃないの?」
8人掛け?の掘りごたつのテーブルの奥側に男が三人並んで座っている。
手前の一人は先日飲み会でも会った大学の友達。
名前は高橋。
あの時、やたらと合コンしたがってた奴だ。
奥の二人は、知らない。
「さとちゃん、こっち!」
高橋が自分の隣の席を叩いた。
とりあえずそこに腰を下ろす。
オカが俺の横…と言うか、誕生日席の位置に座った。
「オカ?これは…」
「さとちゃ〜ん、来てくれて嬉しいよ!あ、こっちは俺の会社の同期!」
高橋がそう言って奥の二人を紹介してくれたので、俺もなんとなく自己紹介する。
ってか、この座り方…前に4つ空いた席…
「これ…もしかして…合コン?」
オカに目をやると
「とりあえず、付き合えよ」
そう言ってニコニコしながら俺に飲み物メニューを渡してきた。
「えっ?合コンなら、俺、こういうのは…」
「こんばんは!お待たせしましたー!」
その時、引き戸が開いて、そこからリーさんが顔を出した。
え?
あ!…そうだ。
高橋がリーさんに合コンを頼んでたの思い出した!
やっぱり合コンだ!
俺が、立ち上がろうとすると…
「さとちゃん、頼む!一次会だけでもいいから、人数合わせに付き合ってよ?」
と、高橋に拝まれた。
オカが何を考えてるか分からないけど…
まあ、女子が来たこのタイミングで帰ったら、かなり失礼だよね。
俺は渋々席に腰を下ろした。
リーさんに続いて「こんばんは~」と女の子達が入って来る。
…可愛い子達が続いて、俺の隣は色めきだった。
そして、最後に入って来たのは…
元カノの…亜由美だった。
「あ…」
「えっ?」
亜由美が俺を見て固まる。
俺も、何を言っていいか分からなくて固まると。
「ほらほら、座って!」
と、リーさんが亜由美の腕を引いて、俺の前に座らせた。
オカに、どういうこと?と目をやると、オカも目をキョロキョロさせて、首を降った。
合コンは仕組んだけど、亜由美が来るとは知らなかった…のか?
とにかく、居心地が悪いまま、合コンがスタートした。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
233 / 559