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各々の主張 …2
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とりあえずこの場を乗り切ろうと、適当に皆の話に相槌を打ちながら、過ごした。
オカは「仲人でーす!」とか変な事を言って、場を盛り上げていたけど、多分、俺が逃げないか見張ってるんだと思う。
亜由美とも、社交辞令というか大人な対応というか、周りに変に思われないように、最低限のやり取りをした。
彼女も、気遣い屋の性格のせいか、俺にも普通に接してくれて、かつ周りを盛り上げるように話題を振っていた。
髪が伸びて化粧が上手になった彼女は、以前より少し大人になった感じがした。
途中、オカがトイレに立ったので、慌ててついて行った。
「オカ!これ、どういうつもり?」
「どういうって…。さとちんには女が必要かと思って」
あぁ、俺に彼女を作らせる気か…
「それで合コン?でも俺、付き合ってる人がいるって…」
「なあ?リーさんの横に座ってる子とかどう?可愛かったし、あの子、さとちんのこと結構見てたし…いけると思うんだけど?」
「だから!」
「だから何?普通に考えろよ?男より、女の方が良いに決まってんだろ?…そうだ。亜由美ちゃんはどう?嫌いで別れた訳じゃないんだろ?思い出せよ。二人、かなりラブラブだったじゃん?な?」
「亜由美とは…確かに自然消滅だったし、あの時は本気だったけど。…でも、今は…違う」
「何が違うんだよ?」
オカが立ち止まって、俺を見振り返る。
でも、目は合わなかった。
「オカ、ちゃんと聞いて。俺はあの人の事、本気なんだ」
オカが黙って、歩き出す。
「オカは何が気に入らないの?オカに何と言われようと、俺の気持ちは変わらない」
トイレの前について、オカがドアノブを掴んだ。
「…俺は、ただ…さとちんのことを心配してるだけだよ」
「…だったら」
俺が全て言い切る前に、オカはトイレの中へ消えていった。
…はぁ。
もう、何だよこれ。
オカは俺の話を聞く気がなさそうだ。
…いや、そっか。
これこそ『拒絶』だ。
オカに、俺たちのことを理解してもらうのは無理かもしれない。
「はぁーー…」
言いたくて言えなかった言葉分のため息を吐いて、俺はテーブルに戻ろうとした。
けれど、振り向いた先に亜由美が立っていた。
「あ…」
俺が立ち止まると。
「久しぶりー…」
と、ちょっと困ったような顔で彼女は笑った。
「…あ、トイレ?道ふさいでごめん」
俺がそう言うと
「いや…あのね。ちょっと、話せない?」
そう言って、さらに複雑そうに笑った。
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