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誕生日会 …1
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雅治さんの誕生日は、その前の土曜日にお祝いする事にした。
その日なら空いてるよ、と雅治さんも言ってくれたし。
誕生日の後の土曜日は、俺が出張になるかもしれなかった。
クソー。サラリーマンは辛い。
というわけで、とりあえず何を準備するか考えた。
まず、プレゼントでしょ?
食事とケーキと…
あ、ワインも!
食事はどこかオシャレなレストランを探せば良いけど、そこでケーキを男二人でつついてたら、目立つよなぁ…
俺が料理が出来たら、家でご馳走を振る舞って、ケーキ出してって出来るのになぁ。
あ…
来年のために、料理でも習おうかな…
いやいや、とりあえず今年はどうしよう?
そうだ。有名店のお持ち帰りとかデリバリーとかどう?
レストランも良いけど、やっぱり二人で気兼ねなく過ごしたい。
外だと「男二人」だけど、ちゃんと「恋人同士」として過ごしたいもんね。
仕事が終わってから、毎日ネットで色々と調べた。
プレゼントは、キーケースにする事にした。
本当はお財布にしたかったけど…良いものを買おうとしたら、俺の給料じゃなかなか手が出ない。
食事もワインもお金かかるし…
なので、キーケース。
これだと、毎日持ち歩いてもらえる。
残業続きの上に、毎日ネットとにらめっこしたせいで、なんだか寝不足…
でも、好きな人の喜ぶ顔を想像したら、楽しくて全然苦じゃなかった。
色々と準備を終えて、いよいよお祝い前日の金曜日。
雅治さんにはサプライズをする予定なので、誕生日の事はまだ何も言ってない。
"明日は、僕の部屋で過ごしませんか?昼くらいまで用事があるので、夕方くらいに来てもらえたら嬉しいです"
昼休みに、そうLINEを送ったら、夜遅くになって
"いいよ。明日は午前中出社するけど、午後は休みだから。また明日連絡する"
と、返事が来た。
仕事、大変そうだなぁ。
明日、大丈夫かな?
仕事になったりしないのかな…
とりあえず、今日は早く寝ないと。
明日は朝一で、取り寄せしたキーケースを取りに行って、ワインとケーキを買いに行かなきゃならない。
明日の事で緊張して眠れないかも!とか思ったけど、連日の疲れのせいか、すぐに眠りにつけた。
誕生日のお祝い当日。
早起きして、昼には用事を済ませて帰ってきた。
後は予約したデリバリーが夕方くらいに届くのを待つだけ。
昼を過ぎてから、雅治さんから
"連絡遅くなってごめん。そろそろ会社を出るよ。一度帰って、着替えてから行くから、もう少しかかる"
と連絡があった。
ドキドキ。
サプライズ、喜んでくれるかな?
デリバリーの夕食は、予定通り到着。
夕飯には少し早いから、これは後でテーブルに並べよう。
『ピンポーーン』
来たっ!!
ガチャ
「や。遅くなってごめん」
雅治さんが来てくれた。
ちょっと疲れた顔。
いつもよりちょっとラフな格好。
それでも格好いいけど…
「お疲れ様です!どうぞ入ってください」
良かった。
仕事で来れないかも、という最悪の事態は免れた…
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