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誕生日会 …3
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雅治さんが出て行って、何時間?…3時間は経ったかな?
まだ…連絡は来ない。
何かあったのかな?
まだ後輩と一緒なら、電話したりしたら迷惑だよね?
とりあえず、LINEはしたけど既読にならない。
ご飯、一緒に続き食べようと思って待ってたけど…
やけになってビール2本空けたら…空腹だったせいか、クラクラしてきた。
せっかく色々準備したのになぁ。
…って落ち込んでも仕方ない。
うん。
仕方ないよ。
会社のセキュリティゲートを通れるものを失くしたら、大問題だって分かるもん。
雅治さんが面倒見てる子なら、雅治さんが対応するのも分かる。
でもさ、でもさ…
あーー!
「腹減った。もう食べちゃおう!」
自分に言い聞かせるようにそう言って、残りのお弁当を頬張った。
食べ終わった時、時刻はもう21時になろうとしてた。
片付けをしていたら、雅治さんから連絡があった。
『ごめん!色々あって…やっと終わった。今から行くね?』
「…はい。待ってます。お疲れ様でした」
先にお弁当を食べちゃったのが何か急に申し訳なく感じて、それを隠すように素っ気なく電話を切った。
雅治さんは悪くない、のに、イライラする。
せっかくお祝いしようとしてるのに、こんなんじゃダメだと思うのに、…なんかテンションが下がってしまった。
それから30分くらいして、雅治さんが戻ってきた。
「本当にごめん。せっかく準備してくれたのに…」
雅治さんが近寄って来たので、逃げるように台所に立った。
イライラした自分を見られたくなかったから。
「ごめんなさい。お腹すいて、先に食べちゃいました。これ、温めた方が美味いので、レンジでチンしますね」
「あぁ。先に食べてくれてて良かったよ。待たせてたら申し訳なかったから。……陸」
「あ、飲み物はどうします?僕はワイン飲もうかなぁ。雅治さんは?」
「陸」
雅治さんから、後ろからギュっと抱きしめられる。
「怒ってる?よな?ごめん。……ねぇ?顔見せて?」
「怒ってなんか…」
雅治さんが俺の頬にキスをした。
そっと後ろを振り返ると、今度は唇にキスをされた。
啄むように、チュ、チュと唇を合わした後
「朝までずっとくっ付いていたい」
と言われた。
俺だって…ずっとくっ付いていたい。
子供みたいに拗ねるの、やめなきゃ…
俺から、えいやっとキスをして、照れ隠しに冷蔵庫をガバッと開けてワインを取り出した。
「カンパイ、仕切り直しましょ?」
笑顔を作ってそう言うと、雅治さんも嬉しそうに笑ってくれた。
チンしたものを並べて、ワインをグラスに注ぐ。
あ、ワイングラスも買いました。
「じゃ、改めまして、誕生日…おめでとうございます」
「ありがとう」
チンとグラスを合わせて、ワインを口にする。
「このワインも美味い。…ありがとな」
「いえ、ワインはよく分からないから、お店の店員さんに選んでもらったんですよ〜」
「でも、俺の為にそうして買ってくれたんだと思うと、なおさら美味しいよ」
雅治さんが嬉しそうにワインを口にする含んだ。
…嬉しい。
さっき、抜けられちゃった時は、本当に悲しかったけど…こうやって喜んでくれたら、色々頑張って準備した甲斐があった。
それから俺はチビチビとワインを飲みながら、美味しそうにお弁当を食べてくれる雅治さんを眺めた。
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