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結局、悩む …5
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「…なにー?」
『おっ!今度は出た!元気〜?って、なんか元気なさそうだな?』
「えっ?んー。…あ、さっきは電話に出れずにごめん。お客さんと飲み会で…」
『そっか!あのさ、毎年恒例の忘年会の件なんだけどさ…』
オカの用件は、年末に大学時代の友達と開く忘年会についてだった。
その後は、オカが寂しいのかなんなのか、なんてことない世間話でなかなか電話を切ってくれずに、通話が終わったのは日付けを超える頃だった。
長電話には疲れたけど、オカの無駄話のおかげで変なこと考えずに済んだかも。
もしかして、俺が元気ないのを気遣ってくれたのかな?なーんて…
電話を切って画面を見ると、雅治さんからLINEが入っていた。
"ごめん。また、後で連絡する"
これは、俺が帰ってすぐぐらいだ。
"電話中かな?ごめん。今まで松井に捕まってた。今から帰ります。明日、時間が合えば夕飯でも一緒に行こう"
これが15分ぐらい前。
松井に捕まってたって…。
あれから、ついさっきまで一緒にいたってこと?
家に送っただけじゃないの?
あ〜モヤモヤ。
とりあえず、返事しなきゃ。
"明日、大丈夫です。会えるの楽しみです"
文面が変じゃないか、何度も確認して、送信した。
今は電話で話す気にならない。
うん。拗ねてる。
情けないけど、拗ねてるんだ。
はぁ。
寝よ……。
次の日、夕方になって、雅治さんからLINEが来た。
"ごめん。今日、会えるか分からなくなった"
え?
なんで?
また仕事に行ってるとか?
電話したい。
だけど、仕事中なら、迷惑だし。
"何かあったんですか?"
と言う問いかけに、すぐに返事が来た。
"突然後輩がうちに押しかけて。帰ってくれそうにない。"
ん?
状況がよく分からない。
どう返事していいか迷ってたところで、雅治さんから着信があった。
「はい…」
『…あ。今日、本当にごめん。なんかうちが見たいとか言って、新人が数人上がり込んできて…
しかも、持ってきた酒を広げて飲み始め…「ガチャ…小栗さーーん!誰と電話ですかぁ?」「彼女とかっ?」「うわー!」』
最初のは…松井さんの声?
後ろがガヤガヤしてるから、他にも何人かいるみたいだけど…。
『…こら!ここには入るなって!…あっちで飲め!「も〜!早く来てくださいね〜♪ガチャ。」
…あー…ごめん。なんか、騒がしくて…。あ、明日は?明日の夕飯は?どう?』
「…えっ?…あぁ!はい!明日、空いてます」
『うん。また連絡す「ガチャ。小栗さ〜〜ん!早く〜!」あぁ!邪魔すんな!…ごめん、じゃ、また』
「あ、はい…」
通話は慌ただしく切れた。
…なんだこれ?
雅治さんの家に、松井さん始め、新人が押し寄せて飲み会?を開いてる?
先輩の家に、後輩が押しかけて飲み会。
ありと言えば、ありそうなシチュエーションですが…
突然って、アリ?
松井さんの常識を疑う…
いや、松井さんが計画したのか分からないから、松井さんを悪者にするのはダメだけど…
なんで、なんで?
はぁ…
もう、ため息しか出ない。
その日も、ふて寝みたいな感じで、俺は1日を終えた。
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