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不安定な気持ち …2
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それから、2人でホテル近くの定食屋さんに行った。
ちなみに…3人とも同じホテルです。
雅治さんと「いつものホテルね?」と、秘密のやり取りしましたから…ハイ…
そのホテルのことを考えると、雅治さんとの最初の…色々を思い出す…
ゴホン…
注文の時、松井さんにビールを勧められたけど、ホテルに帰って仕事があるからと断った。
料理が来て、松井さんが天気の話を振ってきて、当たり障りのない感じで会話がポツポツ進んでいたんだけど、突然思い出したように、雅治さんの話を切り出された。
「そう言えば、この前の日曜日、小栗さんと横浜でご飯食べてたらしいですね〜」
「え?」
一瞬、戸惑った。
どう返事していいか分からないけど、なんか誤魔化せない雰囲気だったのて「あ、はい」と短く返事をする。
らしい、ってことは誰かから聞いた?
雅治さん?じゃないよな…
「なんか、私の同期が見かけたらしいんです。彼女、会社で佐藤さんのこと見たことあるから…」
「あ…そうなんですね」
何を言われるのかと思うと、動悸がしてきた…
「で、それを小栗さんに聞いたら、たまたま会って食事したって話でしたけど…やっぱり、食事に行くくらい仲良しなんじゃないですか?」
これは…
何を聞きたいんだろう。
言葉を、選ぶ。
「あ、いや。本当にたまたま会って…夕飯の時間だったし、立ち話もなんだからって感じで…」
「そうなんですかぁ。……あの、彼女さんの話とか、聞きませんでしたか?」
彼女?
彼女の事を聞きたいのだろうか。
まあ…雅治さんほどカッコよかったら、付き合ってる人がどんな人か興味湧くよね。
「え?…いや、特に聞いてないですけど…なんでですか?」
「あ、いえ。最近、忙しくて彼女さんと会えてないと思うので、大丈夫かなー?って気に…心配になって。日曜日も佐藤さんとご飯食べたって事は、彼女さんとは会ってないってことですよね?」
松井さんは、なんとも読めない表情で微笑んだ。
「あー。…そう、かな?」
あぁ。
やっぱり松井さんって、小栗さんのことが好きなのかな?
彼女の存在をこんなに気にして…
やっぱり、ぬいぐるみとか、髪飾りとかは牽制?
…女の人の考えることって、分かんないなぁ。
あ。
今度、河野さんに相談してみようか…。
でも…『牽制』の事を聞いたら、意地悪いかな?
アキちゃんには…これ以上弱みを見せるの、かっこ悪いしなぁ。
てゆーか、雅治さんは日曜日は彼女と食事でしたけどね!
言えないけどね…
それにしても…
松井さんがいくら雅治さんが好きで、相談されても、こればかりは譲れないよ?
やだなぁ…職場で変な三角関係…
「あの…。あのー、佐藤さん?」
松井さんが、不思議そうな顔をして、首をかしげて俺を見ていた。
しまった…
一人の世界に入り込んでた。
「あ、ごめんなさい!初日の緊張疲れか…ボーッとしちゃいました。はは」
「えー?うふふ!佐藤さん、面白い!」
それからは、俺が適当にテレビの話とか振って、二人とも食べ終わったところで「ホテルに帰って仕事したいので」と、早目にその場を切り上げた。
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