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モヤモヤの原因 …1
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グッスリ眠れたおかげか、寝起きは良かった。
でも、起きてから、雅治さんの着信に気付いた時、昨日のどんよりとした気持ちが戻ってきた。
なんの用事だったんだろう…
LINEには"大丈夫?帰れなんて言ってごめん"と入っていた。
やっぱり…仕事のことなのかな…
不安を抱えながら、雅治さんに電話が取れなかったことの謝罪をLINEしたら、少ししてから電話がかかってきた。
『おはよう』
「おはようございます!ごめんなさい、起こしちゃいました?」
『いや…大丈夫』
「あの…昨日はすぐ寝ちゃって…電話に気付かずにごめんなさい」
『いや、寝てたならいいんだ。昨日…帰れとか言っちゃったから…怒ってるかと思って…』
「いえ、昨日のことは完全に僕が悪いので。もっと酷いこと言われても仕方なかったです。…あの、本当にすみませんでした」
ミスした理由は言えない。
俺にできるのは、謝ることだけ。
『昨日のことはもういいよ。ちゃんと元に戻してもらったし。問題はないよ。…ところで、今日なんだけど…良かったらどこかに出かけない?観光とかでもいいし』
えっ?
てっきり、松井さんの前では言わないでくれた、お叱りか何かを受けるのかと思ってたから、拍子抜けした。
「う…」
お出かけのお誘いだったんたぁ。
嬉しい。
一緒に出かけたい。
この辺、観光した事ないもんなぁ。
だけど、だけど…
「あの、すみません。僕今日は、昨日取ったデータをもう一度チェックし直したいんです」
『え?昨日の?』
「昨日は本当に…その、疲れなのか、集中力を欠いてたので…。あと、ミスした後に取ったデータもまとめたいですし…」
『明日でも十分間に合うだろ?』
「あの…いえ、折角誘ってもらったんですけど…すみません。やりたいんです」
これは俺のケジメ。
雅治さんが小さく息を吐いた。
『そっか…分かった。…じゃあ夕飯はどう?夕飯、一緒に食べよう』
「っ、はい!それまでにきっちり終わらせます!」
夕飯までなら、きっと確認も終わって、気持ちもスッキリ出来ているはず。
『ふふ…無理するなよ?もし、分からないことが出てきたら、すぐに俺に聞けよ?…じゃ、また夕方くらいに連絡する』
「ありがとうございます!じゃ、また…」
俺が自分のミスを自分でこっそり?カバーするだけなので…
優しさが身にしみます…
よーーし。
気合い入れて、早く終わらせなきゃ!!
と、気合は入れたものの…
集中力が切れると、何度もため息が出た。
なんであんなミスしたんだろう…
雅治さんとのお出かけ断ったけど…俺の知らない間に、松井さんとかと会ってたらどうしよう…
そうして、データチェックが終わったのは、午後3時を過ぎた辺りだった。
結果、特に大きな問題はなかった。
ほぅ…
良かった。
ミスは昨日のファイル削除だけだった。
…いや「だけ」って。
それすらやっちゃいけないミスだったんだから。
明日から気を引き締めなきゃ!
明日から、二人のことは、気にしない。
見ないようにしなきゃ。
でも、気にしないって思ってたのに、昨日はあんなミスを…
って、ダメだ。
堂々巡り。
とりあえず、夕食までまだ時間があるから…駅近くのカフェまで行こうかな?
お昼食べてないから、小腹も空いたし。
「…よし!」
ここに篭っててもまた色々考えそうだし、気分転換がてら外に出かけることにした。
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