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少しの変化 …2
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午後は、データを取得して、問題がないか一人で確認する作業だった。
データをまとめて、メールで雅治さんに送ったのは、ちょうど定時を過ぎた辺り。
メール送信からしばらくして、雅治さんから着信があった。
『データ確認しました。お疲れ様。今日は、もう片付けていいよ。…終わったら休憩室で待ってて。打ち上げ行こう』
「はい!分かりました!」
とりあえず、すべてのデータを締め切りまでに提出し終えたことに安堵する。
佐々木さんには「今の所順調ですけど、小栗さんに明日まで残っていてほしいと言われたので…」と、連絡を入れた。
『そうか。問題があったら対応して欲しいって事だろう。分かったよ』と、金曜日の宿泊の許可をもらった。
片付けを終えて休憩室で待っていると、雅治さんが遠くから俺を見つけてくれて、手を振ってくれた。
近くで世間話をしていた女性グループが、一瞬会話を止めて色めき立つ。
「見て!小栗さん!…やっぱりカッコいい〜」
「出張かな?いつまでいるんだろう〜」
あぁ、雅治さんってやっぱりモテるなぁ。
でもごめんね。
…俺のだから。
「お疲れ様です!」
雅治さんに駆け寄る。
「お待たせ。準備できたなら行こうか?」
「はい!」
「今日、松井と3人じゃあれかと思って、他の人誘ったんだけど…クリスマスだからか、加藤しか捕まらなかった。…悪い」
「えっ?いえ!大丈夫です!…気にしてくれて、ありがとうございます」
そうだよねー。
今日はクリスマスイブ。
俺も本当は雅治さんと二人で過ごしたかったなー。
でも、出張先で松井さんもいるのに、そんなこと出来ないよね。
明日は…二人で食事、行けるといいな。
ふふっ。
雅治さんと一階の受付に降りると、松井さんと加藤さんがすでに待っていてくれた。
「お待たせしてすみません!」
「いいえ〜♪」
「佐藤君、お久しぶり!元気してた?」
「加藤さん、お久しぶりです!」
軽く挨拶を済ませた後、駅までの道のりにある焼き鳥屋へ向かった。
クリスマスだから混んでるかな?と思ったけど…その店内にカップルはいなくて、仕事帰りっぽい人がいるだけだった。
うん。
カップルいなくてよかった…
イチャイチャ見せられたら…なんか切なくなるよね。
はは…
テーブルに着いて、とりあえず、とビールで乾杯する。
「佐藤君、お疲れ様でした」
と、昼に続き隣に座ってくれた雅治さんが、俺をねぎらってくれた。
ちなみに、雅治さんの前に松井さん、俺の前に加藤さんが座っている。
「ありがとうございます。今回、色々ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした」
俺が頭を下げると
「あれくらい、何て事ないよ。すぐカバーしてくれて、本当に感心したよ。佐々木さんにも俺から上手く言っとくから」
そう言って笑ってくれた。
「そういや、年明けにまた依頼あるんだろ?」
ビールを一気に半分くらい飲み干した加藤さんがそう言った。
「あぁ…まだ営業でやり取りしてる段階だけどね」
「年明けに…また依頼を頂けるんですか?」
また、雅治さんと仕事できるのかな?
嬉しい!
雅治さんが、ちょっと考える素振りをしてから、口を開いた。
「うん…俺のところからじゃないんだけどね。ま、俺も携わるけど…。メインは河野のところだよ」
「河野さん、ですか?」
残念…雅治さんがメイン担当じゃないのか…
でも、河野さん、久しぶりだな〜
元気かな?
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