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サプライズ …6
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食事後に外に出ると、もうすっかり日が暮れていて、大通りのイルミネーションがキラキラと輝いて見えた。
金曜日の夜っていうのもあるだろうけど、街を歩く人がソワソワしていて、俺もそれに釣られるように気持ちが高揚した。
大通りをコインパーキングに向かって歩く。
途中で雅治さんが「ちょっとこっち…寄っていこう」と言って、大通りの少し奥まったところにある一見して広そうな公園に入った。
「わぁ…!」
公園と言うか広場になっているそこは、木は電飾で彩られて、所々にイルミネーションのオブジェみたいなのが置いてある。
わざとなのか、公園内で灯っている街灯はなく、本当に幻想的な景色だった。
遠くには大きなツリーが、光って見える。
「すごい!公園全体がイルミネーションだ」
「…少し、歩こうか?」
「うん!」
キラキラと輝く中を歩く。
雅治さんと、まさかのクリスマスらしいデート。
しかも、こんな雰囲気のあるところを二人で歩けるなんて思っていなかったから、すごく嬉しい。
公園内を歩いている人は結構いて、カップルや家族連れや…会社帰りのサラリーマンなど、俺たちが男二人でいても特に目立つ感じではなかった。
途中、池に掛かっている光の橋を歩いている時…俺たちの前にいたすごく仲良さそうに手をつないで歩くカップルが目に入った。
あぁ、俺も手、つなぎたいな…
外でも気にせず、あんな風に仲良く。
でも、出来るわけない。
そんなことしたら、注目を浴びて落ち着いて歩けないだろうから。
何気なくそのカップルを目で追っていたら、二人が橋の途中でキスをした。
それを見て、胸がキューっと痛くなる。
いいな。
いいな。
俺も手、つなぎたい。
つなげる距離にいるのにつなげない。
近いのに、遠い。
「陸、見て。水の中も光ってる」
不意に雅治さんに声をかけられた。
横を見ると、池の中の噴水が色を変えながら水しぶきを上げている。
「わぁ!キレイですねぇ……」
あーダメダメ…
せっかく雅治さんとデート中なんだから。
楽しまないと!
橋を渡って少し行くと、大きなツリーの前にやって来た。
3、4メートルくらいのツリーを見上げる。
電飾が点いたり消えたりするその光が、星の瞬きみたいに見えた。
「わぁ…」
さっきから、わぁって言いながら口が開きっぱなしの俺…
暗いから誰も見てないだろうと開き直っていたら
「ふっ…陸、さっきから口が開きっぱなし」
って、雅治さんに突っ込まれた。
「〜っ?!」
さっきからって…ずっと見てたの?
恥ずかしい!
「それより……そろそろかな?」
雅治さんが腕時計を見ながらそう言った。
え?
何かこれから用事があるのかな?
…と、胸を痛めた時。
「えっ⁈」
公園内のイルミネーションの灯りが、全て消えた。
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