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サプライズ …7
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停電⁈
でも、公園の外の街灯はちゃんと点いている。
あちこちでザワザワ聞こえてくるけど、誰も慌てていない。
停電じゃないのかな?
雅治さんからも慌てた様子は感じられない。
目が暗さに慣れる前に、手に温かい感触がした。
「!!」
「今だけ」
すぐ隣から雅治さんの声がして、手をギュッと握られた。
温かい…
心臓も同時に握られたみたいに、ドキドキする。
雅治さんも、俺と手をつなぎたいって思っててくれたのかなって思うと、さらに胸がキュウっとした。
あぁ、俺本当に、雅治さんのことが大好きだ…
それから多分、時間にしたら1分ぐらい。
雅治さんが、再びギュッと手を握って、離した…と思ったら…
公園内のイルミネーションが一斉に点灯した。
「わあ!!」
さっきから「わあ」しか言ってないけど…それ以外言葉が出なかった。
真っ暗な中から、急に光の世界が現れる。
今まで、それぞれで楽しんでいたオブジェとか噴水とか、全てが調和して見えて、光の庭園って感じでとても幻想的だった。
しばらくすると、それぞれがまた色を変えたり点滅し始めたりして、足を止めていた人達も歩き出す。
俺たちもその流れに乗るように歩き出した。
「今の、見せたかったんだ。1時間に一回ある、この公園の見ものなんだ」
雅治さんがそう呟く。
「へえ!すごく幻想的で…ホント感動した!」
歩きながら見つめ合って、どちらからともなく「フフッ」て笑った。
きっと雅治さんも感じてる。
はたから見たら、ただの男同士かもしれないけど、俺たちはちゃんとカップルで、ちゃんと…ラ…ラブラブだもんね!
あー…照れる。
それから、イルミネーションの感想を話したり、景色を写真に収めたりしながら、公園を一周した。
公園を出た時、なんだか寂しい気分になったけど、雅治さんが「またこういうの見に行こう」って言ってくれて、とても嬉しくなった。
車に戻ってから、イルミネーションの雰囲気にやられたのか…
どちらからともなく近付いて、唇を重ねた。
唇を離すと「ちょっと…移動しよう」と言って、雅治さんは車を動かし始めた。
車はホテルへ帰る道を進んでいたけれど、その途中で人通りの少ない小道に入って坂を登り始めた。
「ねぇ、どこ行くの?」
「この上に公園があるんだけどね…」
しばらく行くと、少し開けた空間について、そこで車は止まった。
「降りて。暗いから気を付けて…」
「うん」
車を降りると、そこが駐車場って言うのが分かった。
少し離れたところにある街灯の向こうが、公園のようだ。
「こっち」
雅治さんが俺の手を取って、公園とは逆側に歩きだした。
すぐに、ガードレールに当たって、空が開けている場所に出る。
「わあ!」
今日、何度目の「わあ」だよ、と我ながらツッコミたくなったけど…
上を見上げると、満天の星空がそこにあった。
「田舎だから…こんな丘でも、星がよく見えるんだよ」
雅治さんが、俺と手をつないだまま、自分のコートのポケットに手を入れた。
空いっぱいに瞬く星を、二人で見上げる。
雅治さんがつないだ手をクイっと引くので、雅治さんの方を向くと…
顔がゆっくり近付いて来て…キスされた。
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