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サプライズ …8
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何度か角度を変えて、優しく啄ばまれた後、抱きしめられる。
「…さっき…他人のキスに見惚れてたろ?」
「えっ?」
…気付いてたの?
「イルミネーションには負けるけど…これで、許して?」
そう言って、再びキスされた。
雅治さんが謝ることじゃない。
それに、この星空はイルミネーションなんかに負けてないよ。
でも、そう言うのは何か恥ずかしくて…
再び空を見上げる時、自分から雅治さんの腰に手を回して抱きついた。
空いっぱいに瞬く光は、イルミネーション以上に幻想的で感動した。
何より、雅治さんがこうして気を使ってくれて…
わざわざキスする場所を提供されたと思うと、恥ずかしい。
てゆーか、雅治さんって、こんなキザなことするの?
……イメージなさすぎ!
「ふふっ」
思わず笑みがこぼれる。
「…何?」
「何でもなーい」
腰に回した腕にさらに力を込めて、雅治さんにくっ付いた。
しばらく空を眺めた後、身体が冷えてきたので車内に戻った。
「陸…遅くなったけど…これ」
車内が暖かくなってきた頃、雅治さんがコートのポケットから何かを取り出した。
手のひらには小さい箱が乗っている。
それを受け取ると…
「クリスマスプレゼント」
って言われた。
「えっ⁈ホントっ?ありがとう!!」
嬉しい!!
あ、もしかして最初に寄ったお店は、これを受け取るため?
「開けてもいい?」
「もちろん」
車内のライトを点けて、包装を外して箱を開ける。
「わ!」
箱の中には、キーケースが入っていた。
「…実は、陸へのプレゼント、すごく悩んで…。で、俺がキーケースもらった時、すごく嬉しかったから、お返し……って芸がなくてごめん。自己満足みたいなプレゼントになって…」
「ううん!すごく嬉しい!大事にする!!」
前に俺があげたキーケースが嬉しかったから…だって!
そんな想いで選んでくれたプレゼントとか、嬉しすぎでしょ?
「で、これもさらに…自己満なんだけど…」
雅治さんがポケットからまた何かを取り出した。
手をグイッと俺に押し付けるようにしたので、手のひらで受け取ると…
「か…ぎ?」
手のひらに銀色の鍵が一つ光っている。
どこかの家の鍵?
いえの…かぎ…
「ごめん。こういうの渡されるの迷惑?…誰かに合鍵渡すのとか初めてで…」
「〜っ!!」
合鍵!
雅治さんちの合鍵!!
「嬉しい…っ。迷惑なワケないし!早速、付けるっっ!」
雅治さんちの鍵と、俺んちの鍵を、貰ったキーケースに付けた。
「ふふっ」
上手く言えないけど…二つ並んだ鍵を見てると、すごく幸せな気分になった。
合鍵もらうって、なんか…家族みたいじゃない?
「俺、忙しくてなかなか会えなかったりするから…いつでもそれ使って、来てくれると嬉しい」
「いつでも?」
「いつでも」
お互い照れたように笑う。
俺は再び、目線をキーケースに落として、鍵を眺めた。
えへへ。
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