アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
友人からの忠告 …1
-
仕事の締めは29日だった。
その日は、納会と部署の飲み会があった。
雅治さんはその日、九州から帰って来た。
雅治さんも、会社の飲み会に出席してから帰ると言っていた。
飲み会の後、雅治さんに会いに行きたいなーと思ってたけど、上司に散々飲まされて、それどころじゃなくなった。
だって、会いに行ったら、その…いたしてしまう訳だけど…今、揺さぶられたら、色んなものが出てきそうで…
その日は大人しく家に帰った。
次の日は、大学の時の友人達と忘年会があった。
雅治さんは、中学の時から一緒に中国拳法を習っていた親友と会うらしい。
今回、その人を俺に紹介したかったみたいだけど、忘年会の話をすると「あいつに会うのはいつでもいいから」と言ってくれた。
お互い都合のいい時をまたセッティングしてくれるって。
なんか、親友に紹介してもらえるって…嬉しいよね。
忘年会は、いつものメンバーに、普段仕事で会えないゼミの仲間とかが加わって、20人ほど集まっていた。
座敷の居酒屋で、いくつかのテーブルに別れて座る。
今回の集まりには、別れてから初めて亜由美ちゃんが参加した。
彼女は笑いながら、右手の薬指に光る指輪を俺に見せてくれた。
どうやら、会社の先輩とうまくいったみたい。
途中、隣にやって来たリーさんに「合コンの日、助けてくれた人を紹介して」と散々言われた。
その勢いに俺が押されていると、亜由美ちゃんが「あの人、超ラブラブな彼女がいるらしーよ」と言ってくれた。
超ラブラブは、余計じゃない?…と思ったけど、リーさんにはそれが効いたみたいで「ラブラブかー…そっかー」と諦めてくれた。
良かった。
そんなやり取りを斜め前のオカが呆れ顔で見てた…
途中、久々に会う友達が代わる代わる俺のとこにやって来ては「さとちゃん、なんか可愛くなった!」やら「その色気どうしたん?」やら…
挙げ句の果ては「私、さとちゃんと付き合う〜」「待て!俺もさとちゃんなら男でもイケる!」とか…
変な事ばかり言う。
そして俺が絡まれるたび、なぜか亜由美ちゃんとリーさんが助けてくれた。
リーさんは、俺が前回の合コンをかなり嫌がってたと亜由美ちゃんから聞かされていたみたいで、あの時の罪滅ぼしか、俺に変なのが付かないように守ってくれるらしい。
リーさんがここまで気を使うとは…
亜由美ちゃん?一体どんな事をリーさんに言ったの…?
亜由美ちゃんは「さとちゃんは、自分が思ってる以上に危機感持った方が良いよ?」と、笑いながら言った。
どういことだろう?
飲み会も終盤…
もう座席とか関係ないくらい皆乱れて座っていた。
リーさんと亜由美ちゃんが俺のいたテーブルからいなくなった時、卒業以来初めて会う友達が俺の隣に座った。
「さとちゃん!久々!」
「あ、森くん!久しぶり!相変わらず元気いっぱいだね〜。野球、頑張ってる?」
「おーよ」
森くんは、高校の時、甲子園に行ったくらいの腕の持ち主で、大学時代もずっと野球をやっていた。
今は社会人野球をやってると噂で聞いている。
相変わらず、ガタイが良くて迫力がある。
「それにしても、さとちゃんどうしたの?マジ雰囲気変わったな!」
「そう?」
「メチャ可愛くなった!俺、前のさとちゃんより今の方が断然好きだわ」
そう言いながら、森くんは俺の髪をフワリと撫でた。
酔っているのか、声も大きいし顔も赤い。
「え?はは…どーも」
その手をやんわり避けながら、今日何度目かの可愛い発言にうんざりしている自分に気付いた。
俺は本来、可愛いって言われるのが嫌いなんだ。
でも、雅治さんには可愛いって言われたいし、この髪型好きって言ってくれたから、もう短くする気はないし…
それに、男に好きって言われても気持ち悪いだけだし。
あー…もう、複雑。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
307 / 559