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友人からの忠告 …5
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「あ、雅治さん」
ハリウッドスマイルをキラキラさせてるけど…なんか、怒ってる?
「え?ちょっと。何?誰?」
森くんが睨みつけるように雅治さんを見た。
そんな様子を見たオカが、俺と森くんの間に入るようにして言った。
「えっと!森くん、俺ら今から別の用があるから。迎えも来たし…またな!」
そう言って、俺と雅治さんの背を押す。
「あ、ちょっと待って、LINE!」
森くんがスマホを持ってる俺の手首を掴んだ。
「っ!」
さっき触れられた事や言われた内容を思い出して、全身鳥肌が立った。
「君に、教える気はないよ」
そう雅治さんが言って、森くんの手を掴んで…離してくれた。
雅治さんは、微笑を浮かべてるけど、その声は何だか怖かった。
「は?なんであんたにそんな事言われなきゃなんないの?さとちゃんは誰のもんでもないんだし。邪魔しないでくれますか?」
森くんが、雅治さんを睨みつける。
「…へぇ」
雅治さんは、微笑を浮かべたまま森くんを見下ろした。
いや、見下ろすって言っても、ほとんど身長変わらないし、見た目の体格じゃ森くんの方がしっかりしてるけど…雅治さんのオーラがすごくて、森くんより断然大きく見えた。
森くんはその威圧感に一瞬怯んだけど、すぐ立て直す。
ちょっと。
何これ?
あぁ。
どうしてこうも俺の友達は、雅治さんにケンカ売るかなぁ!
森くんは今にも掴みかかりそうな雰囲気だ。
「森くん、ストップ!」
「っ…何⁈さとちゃん。この人誰?」
「えっと、ごめん!あの…俺、森くんとはLINE交換出来ないから」
「…え?…なんでっ?」
"ハッキリ断る、隙を見せない"
さっきの二人の言葉を反芻する。
「俺、その気ないから。…連絡もらっても返す気ないし。それに、その、俺、誰とでもヤるとかそう言うの絶対に無理だし」
亜由美ちゃんが「え?何それ」と嫌悪感たっぷりに呟いて森くんを見た。
一瞬たじろいだ森くんがしつこく口を開く。
「いや…だけどさ…その…」
「俺の大事な人は一人なの。その人、悲しませたくないから、森くんとは連絡取れない。…とゆー訳で。それじゃあね」
俺は森くんに背を向けて、雅治さんに目配せして歩き出した。
雅治さんは何も言わずに微笑んで、俺の隣を歩き出す。
「あっ…じゃーねー!」
オカは森くんにそう言って、亜由美ちゃんと一緒に俺たちの後に続いた。
「陸…今のは誰?」
雅治さんが、ポツリとそう言った。
「あの…ゼミの友達なんだけど…ちょっと色々あって…」
「色々?」
う…。
森くんのことをどう説明しようか悩んでいたら、オカと亜由美ちゃんがフォローを入れてくれた。
「さとちんは悪くないから、責めないでやってくださいよー?悪いのはアイツなんですから」
「そうそう。それにしてもしつこかったね〜」
「…そう」
雅治さんは、複雑な笑顔を二人に返して、俺の頭をポンポンと撫でた。
やっぱり、後で説明が必要だよな…
「小栗さんも気をつけてやってくださいよー?さとちん、今日、モテモテだったっスからね!」
「…モテモテ?」
雅治さんの顔から少し笑顔が消えた。
「いや、モテモテって言うか…っ。ちょっと、オカ!」
オカ、また雅治さんに何か変なこと言うつもり?
「あれー?小栗さんも気付いてないんスか?さとちんの変化。さとちん、今日は男も女も関係なく、皆から『可愛いー』って言われてましたよ?さっきみたいなオトコがくっ付いて来るくらい、モテモテでしたね。…ちゃんと捕まえとかないと、そのうち攫われますよ〜?」
オカが「うひひ」と、悪い笑顔をした。
オカー!余計なことを!
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