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今年やり残したこと …1
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護身術も役に立たず、雅治さんに良いようにされて、コトが全て済んだ後で「そんなんじゃダメだろ。もっと本気で拒まないと」って怒られた。
えー…
その後、切々と「知らない人にはついて行かないこと」とか、色々と注意された。
とりあえず、俺がモテる事で雅治さんにすごく心配をかけることは理解したので…今後は気をつけようと思う。
午後、一旦うちに送ってもらって、着替えとお泊りの準備をしてから、また雅治さんと会った。
今日は大晦日。
今年は雅治さんと年越しする。
ただのお泊りなのに、一緒に新年を迎えるって思うと、いつもと違ってウキウキする。
まずはスーパーで、食料と飲み物購入。
握り寿司と日本酒と、蕎麦(カップ麺)などを買って、予約してたお雑煮付きおせち重を受け取った。
スーパーは人がごった返してて、知り合いに会わないかヒヤヒヤしながら買い物した。
幸い誰にも会わなくて、車に戻ってから二人で安堵で笑った。
それから早めの夕飯にした。
ビールで乾杯して、チャンネル争いしながら、楽しく時間を過ごす。
不意に「来年はコタツ買おう」って雅治さんが言った。
あぁ、未来の約束だ…
しかも来年。
幸せで、幸せで、こんな大晦日は初めてだ。
そして、顔には出てないけど、雅治さんのお酒のペースがいつもより早い。
雅治さんなりに浮かれてるのかな?
寿司を食べ終わった後は、つまみで日本酒をチビチビ飲んだ。
今年も残り、後2時間ほど。
すでにビールを何本も空けた雅治さんは、珍しく頬が赤い。
「陸…今年一番嬉しかった出来事はー?」
突然、雅治さんがそんなことを言った。
「うーーーん。……彼氏ができたこと?」
「フッ。マジで?」
照れながら答えると、雅治さんが嬉しそうに笑って、俺も釣られ笑い。
「雅治さんは?」
「……彼女ができたこと」
「っ!俺の真似じゃん!」
「んーー。…じゃあ……久しぶりに気になる人が出来て…その人とは体の相性がバッチリで…まさかの東京帰任で、家が近くなって…会う度に好きで好きでどうしようもなくなって…でも、諦めようと思った時に気持ちが通じ合えたこと?そしてこうして…いつでも手の届くところにその人がいてくれること」
そう言いいながら、頬をスルリと撫でられた。
「〜っっう。ど、どれが一番か分かりませんっ!」
そう言えば、今年は色々ありました…ハイ。
「じゃあ、陸の今年一番辛かった出来事は?」
「うーーーん。小さいのはいくつかあるけど……これ!って言うのは無いなぁ…」
「そうか。…俺もそうだな。陸と付き合ってから、毎日が楽しくて仕方ないよ。
昨日、ヤマに…あ、ヤマって言うのは昨日会った俺の親友ね?そいつからも『幸せボケしてる』って散々弄られたよ」
「へぇー」
雅治さんを「幸せボケ」って弄れる人って、どんな人だろう?
雅治さんのオーラにも負けない何かを持ってる人なのかな?
早く会ってみたい。
「あの…そういえば。その、ヤマさんって、俺が男だって…」
「知ってるよ。…あぁ、心配しなくても、偏見とか持たれてないから、大丈夫。むしろ、有り難がられてるよ」
「有り難がる?」
「俺がこんなに必死に一人を追っかけてるのが面白くて仕方ないらしい」
雅治さんは何かを思い出したように、フフッと笑った。
雅治さんとヤマさんの関係、いいなー。
ますます、ヤマさんに会いたくなってきた。
雅治さんが手酌で日本酒を注ぐ。
「あ、ごめんなさい。俺が注ぐよ」
「いいよ」
なみなみと注いだお酒を雅治さんがグイッと煽る。
コトンと、ぐい飲みをテーブルに置いた雅治さんが、肩が触れるくらい俺のそばに来た。
「陸は…今年やり残したこと、ある?」
酔った風な雅治さんはそう言いながら、俺の手を取った。
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