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モヤモヤ再び? …1
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年が明けてから、聞いていた通りS電機の仕事が入ってきた。
どうやら今回の仕事は、今までと違う新しい製品が対象らしく、S電機もうちも初めての作業ということで、打ち合わせを都度行いながら作業を進める事になった。
最初の打ち合わせは、1月中旬の月曜日に開催された。
俺は佐々木さんと一緒に、新しい仕事への期待と緊張を持って、S電機に伺った。
通された会議室に現れたS電機の社員さんは、全部で5人。
まず、雅治さんと松井さんと、そこの渡辺課長さんが入ってきた。
その3人と挨拶を交わしていると、河野さんと…男性がもう一人入って来た。
「佐々木さん、佐藤さん、お久しぶりです」
河野さんが、俺を見てニコリと微笑んでくれた。
「お久しぶりです」
河野さんとは以前は壁みたいなものが間にあったけど、今はそういうのは全くない。
河野さん…小栗さんのこと、ちゃんと諦められたのかな?
…って、俺が気にすることじゃないけど。
河野さんと挨拶を終えると、その後ろの男性が佐々木さんと挨拶をした。
佐々木さんは面識があるのかな?
その後、その男性は名刺を取り出して、俺に声をかけた。
「初めまして。二宮(にのみや)です。今回は宜しくお願いします」
鼻筋が通ったその顔は、女の人にモテそうな感じ。
スラリとしていて、スーツもよく似合う。
エンジニアとして内勤してるより、営業とかで外にいる方が似合いそうな人だ。
「佐藤です。宜しくお願いします」
俺も名刺を出して交換する。
「佐藤くん…うん。宜しくね」
受け取った名刺には、開発統括部 第二課 課長 と書いてある。
河野さんの上司だ。
ちなみに雅治さんは、第三課です。
俺の名刺から顔を上げた二宮課長さんは、俺にふわりと微笑んだ。
その顔は、とても優しそうな雰囲気だった。
うん。一緒に仕事する人が、優しそうな人だとちょっとホッとするよね。
強面な人だったら…コミュニケーション取るのに緊張するし。
俺もつられて、ニコリと笑顔を返した。
それから一時間半ほど今回の作業確認をした後、少し休憩しましょうという事になった。
「松井さん、皆にコーヒーでも買って来て」
渡辺課長さんが、ピラリと千円札を出した。
「いえ、渡辺さん。私たちは自分で買いますので…」
佐々木さんが、立ち上がる。
すると二宮課長さんが、こう言った。
「良いんですよ、佐々木さん。渡辺さん、いっぱいお金持ってますから」
「二宮は自分で買え」
「ええ〜」
二宮課長さんが笑うと、周りがふわりと和んだ。
二宮課長さんは、渡辺課長さんの下なのかな?
ま…見た目、若いもんね。
40は行ってなさそうだけど…年齢不詳。
松井さんが「皆さんコーヒーで良いですか?」と聞いているのを見て「佐藤、手伝って来たら?」と、佐々木さんが言った。
「あ、はい。松井さん、僕手伝います」
二人になるのは、なんか嫌だったけど…ここは仕事だ。
のんびり座ったまま、奢ってもらう訳にはいかない。
席を立つ時、雅治さんをチラリと見たら、雅治さんも席を立とうと俺に目配せをくれた。
けど…
「あ、小栗。ここの資料、プリントアウトしといて」
渡辺課長さんの言葉で、それは遮られた。
まあ、仕方ないか。
俺は松井さんに続いて、会議室を出た。
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