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モヤモヤ再び? …2
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松井さんと、自販機のところまで歩く。
「あ、佐藤さん!昨年はお世話になりました♪」
「あ、いえ!こちらこそ、お世話になりました」
「あのー…昨年の…私が帰った後…小栗さんの彼女さん、見たりしませんでしたか?」
えっ?彼女?
突然そんな話⁈
「あ、えーと…見てない、ですね」
「そうですかー。…あ、いえ、小栗さんみたいにカッコ良い人は、どんな女性が隣にいるか気になっちゃって♪同期の間でも、話題なんですよ〜。小栗さん、有名人ですから♪…やっぱり、すっっごい美人なのかなぁ?」
「え?ど、どうでしょう?はは…」
松井さんの言葉に、なぜか胸がチクチクして、上手く返せなかった。
松井さんは、イブの夜に見せた雅治さんとのやり取りは、なかったかのように振る舞った。
と言うか…触れられたくないんだろうな。
うん。
雅治さんの彼女のことが気になるのは、同期じゃなくて、キミでしょ?って突っ込みたいのを飲み込む。
「それにしても、彼女さんすごいですよね〜!仕事先まで追っかけてくるなんて…。なんでそんなに必死なのかなぁ?」
「…え?」
一瞬、頭がついて行かなかった。
これは、彼女を否定している?
「いや…それだけ仲が良いってことじゃないですか?小栗さん仕事忙しいから、それに合わせてるって良いと思いますけど?」
自分が馬鹿にされた気分になって、思わず言い返してしまう。
「あー…。それもそうですね!」
松井さんはニコリと俺に笑顔を向けたけど…全然笑ってないように見えた。
程なくして自販機の前に着いて、皆のコーヒーを買う。
最後に松井さんが、自分のカフェオレを購入して、取り出し口から取り出そうと屈んだ時…
「イタタ…!」
松井さんが、痛そうな顔をした。
「どうしました?大丈夫ですか?」
「あ、すみません!大丈夫ですっ!ははっ、恥ずかしいな〜。昨日運動した筋肉痛かな?」
そう言いながら、腿をさすりながら立ち上がった。
「何か運動されてるんですか?」
「んーと、実は年明けから、ジムに通いだしたんです〜」
「ジム…ですか?」
昨日…日曜日に、ジム?
何かが引っかかって、心臓がドキンと跳ねた。
「そうなんです〜。そのジム、すごく施設が充実してて…器具はもちろんのこと、プールもあるし、曜日毎にヨガとか加圧トレーニングとかの講習もあるんです」
「へぇ…松井さんも、その…何か講習に通ってるんですか?」
「はい♪太極拳です〜」
再びドキンと心臓が痛む。
「太極拳…。そう言えば、小栗さんも太極拳やってるって聞いたこと…あります」
「あっ!ご存知ですかっ⁈実は、そのジム、小栗さんに紹介してもらったんですよ〜!」
松井さんが、楽しそうに笑った。
…え?
小栗さんに紹介してもらった?
「そ、そうなんですね〜。太極拳、流行りなのかな?」
「うーん?どうでしょう?私は、小栗さんから話を聞いていたら、やりたくなっちゃって♪」
「へぇー。そうなんですね」
俺は、上手く笑えてるだろうか?
雅治さん…松井さんにも太極拳の話をしたんだ?
俺の時みたいに…かな?
そして、ジムを紹介した?
俺は…連れて行ってもらえてないのに…
胸がギュッと痛くなった。
会議室に到着して、皆に缶コーヒーを配ってから、トイレに行くと言って会議室を出た。
なんか…雅治さんを見れなかった。
あー…ダメダメ!
仕事中なんだから。
ちょっと顔でも洗って、気持ちを切り替えよう…
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