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確かめる …1
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もうお酒はいいや、と二人の意見が一致して、二人で駅前のカフェに入った。
二次会、入り乱れてたし、俺たちが消えても誰も気にも留めないだろうって事で。
良い気分だった酔っ払いな俺は、アキちゃんに松井さんの話を簡単に一通り話した。
そして、月曜日にため息の原因になった話まで聞いてもらった。
「うわぁ…。何かそんな女に付け回されて、小栗さんに同情します…」
俺の話を聞いたアキちゃんが、最初に言った感想はそれだった。
「てか、佐藤さん?二人はラブラブなんでしょ?その女のこと、そんなに気にしなくても良いのになぁ〜」
「ラブ……いや、うん。でも、何か…気になっちゃって」
「うーん。ま、確かに…ジムに関しては、なんで曖昧にされてるのかは気になりますね…。あ、ちなみに私は、小栗さんはその女にジムなんて勧めてないと思いますよ〜?てか、勧めてたりしたら、とっちめてやる!」
「はは…」
やっぱり、小栗さんは勧めたりしないよね?
俺が、雅治さんと松井さんが仲良くするのを嫌がるのを知ってるはずだから。
あー、俺、なんでこんなに自分にマイナスな事ばかり考えちゃうんだろ?
スムージーをストローで突きながら、アキちゃんが「そうだ!」と言った。
「え?何?」
「気になるなら、確かめに行きましょう!」
「確かめに?」
「そうです!そのジムに!」
「ええっ⁈そんなこと…」
「バレないようにすれば大丈夫です!例えバレても、ジムのことを曖昧にしてる小栗さんの方が悪いんですから、大丈夫ですっ!さっ、どこのジムですかっ?」
「ちょっと、落ち着いて?アキちゃん、酔ってる…「酔ってません!さ、どこですか?ほら、見学とか言って、ちょっと覗いてみれば良いじゃないですか?そこで小栗さんが一人真面目に運動してたら、それでスッキリするでしょ?佐藤さんが嫌なら、私一人で行ってきます。ほら!ほら!」
いや…アキちゃん、酔ってるよね?
「いや…ごめん。ジムの名前、知らないんだ」
これは本当。
そう言えば、聞いたことなかった。
「じゃ、場所とか…特徴とかは?」
「えっ?……△△駅の近くって聞いたことあるけど…」
どこのジムか分からないなら、アキちゃんも諦めるだろうと思った。
けど、突然スマホを操作し始めたアキちゃんは、すぐに「あった」と呟いた。
「えっ?」
「△△駅の近くのスポーツジムは3件。範囲を広げたらもっと増えますけど…。日曜日の太極拳を検索条件に入れたら、1件です」
そうして、ビシッと俺にスマホ画面を見せつけた。
そこには、松井さんが言っていたように、施設が充実していてプールもあって、曜日や時間ごとに異なるレッスンがスタジオで受けられるというようなことが書いてある。
そして…そのレッスンの日曜日の午後の枠には太極拳が入っていた。
ここ、かも…
「よし。じゃあ、明日電話して、見学の予約取りますね?…えーと、太極拳のレッスンは14時からだから…その時間でいっか。そこさえ気をつければ、小栗さんに見つかることはないんじゃないですか?」
「いや、でもね?」
「もう、気になっちゃったんですもん!私は一人でも行きますよ?」
「ええ〜っ」
ちょっと、なんで、こうなった⁈
もう、アキちゃんは何を言っても引かなそうな雰囲気だ。
しかも、俺の問題なのに、一人で行かせるわけにもいかないじゃん…
「分かった。俺も行く…」
「本当ですか?じゃあ、明日また詳細連絡しますねっ!」
「う、ん…」
こうなったら、酔いが覚めたアキちゃんが、冷静に判断してくれることを祈ろう。
酔いが覚めたら、きっと、なかったことにしてくれるハズ…
なーんて言うのは、俺の希望だけで終わった。
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