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女の戦い? …2
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「あぁ、でもそうか…。時期を待ってるだけかも知れないわね」
「時期、ですか?」
「そう。小栗くんが彼女と別れるのを。もしくは、不仲になって、付け入る隙が出てくるのを待ってる。…あの子、プライド高そうじゃない?玉砕前提の告白は、しないんじゃないかしら?」
う…
なるほど…
別れさせようとしてるくらいだもんね。
俺たちを…
「ちょっと…佐藤さん、なんて顔してんのよ?あなた達、別れる予定でもあるの?」
「馬鹿言うな」
俺が口を開く前に、雅治さんが即答した。
「ふっ…。兎にも角にも、二人がラブラブなら、心配はいらないわね。あんな小娘に揺さぶられるなんて…やめて欲しいわ。まったく」
河野さんが、やれやれという様に首を振った後、俺たちを交互に見てニヤリと笑った。
「ところで、小栗くんはパートナーには何て呼ばれてるの?」
「さあ?」
河野さんが周りを気にしてか、パートナーっていう表現を使った。
雅治さんは、シレッと返事を返す。
「えー。教えてくれたって良いじゃない?佐藤さんは?何て呼ばれてるの?」
「えっと…」
河野さん、俺らで遊ぶ気だぁ…
返事に困って雅治さんを見た時だった。
「あれ〜?小栗さんじゃないですかぁ!お疲れ様ですぅ♪」
デーブルの3人の動きをピタリと止めさせた、声の持ち主は…
松井さんだった。
ええっ⁈何で⁈
何でここに?
「あら、松井さん!奇遇ね?」
河野さんがいつもと変わらない調子で答えた。
松井さんと、連れ?の女の子がテーブルの隣まで来る。
「あ、河野さん!あれ?佐藤さんも?…お疲れ様でーす♪」
「お疲れ様です」
松井さんの連れの子も、俺たちに(と言うか、ほぼ雅治さんを見てたけど)挨拶した。
同じS電機の人なのかな?
俺も「お疲れ様です」と、二人に会釈する。
「なんか、珍しい組み合わせですね。楽しそうで良いなぁ♪小栗さん〜私も誘ってくださいよぉ。そうだ!私たちもご一緒させてもらってもいいですかっ?」
ええっ⁈
松井さんがいきなり爆弾を落とした。
一緒に?まさか!!
松井さんのその言葉に一番に反応したのは、河野さんだった。
「あらー。ごめんなさい!今日は私主催のプライベートな集まりなの!」
「…あぁ。松井さん、ごめんね」
河野さんからの視線を受けて、雅治さんが営業スマイルでそう言った。
「えぇー…。小栗さんと河野さんなら何となく分かりますけど…どうして佐藤さんもいらっしゃるんですか?佐藤さん、私たちも混ぜてもらったらダメですかぁ?」
ええっ?
俺に聞く⁈
ど、どうしよう?何て答えようか…
「ふふっ、松井さん?佐藤さんは、私の大事なゲストなの。いじめないでやってちょうだい?私たち、友人繋がりなのよ。今は仕事で会ってるんじゃないわ」
河野さんがさも楽しそうにそう言った。
「えと、ごめんなさい」
とりあえず、謝りの言葉しか出なかった俺。
情けない。
「…そうですかぁ。残念!じゃあ、今度は私も呼んでくださいね〜?」
「ええ!ごめんなさいね?それにしても、どうしてここへ?家がこの辺なの?」
河野さんが軽くジャブを出した。
松井さんは、社員寮に住んでるって聞いた気が。
確か、この付近ではないと思う。
河野さんも知ってるんじゃないだろうか?
「えっと、友達が近くに住んでるんです〜♪じゃあ、失礼しました!お疲れ様で〜す♪」
松井さんはニコニコしながら、店員さんに連れられて奥の方へと消えて行った。
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