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決起会 …1
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それから数日後。
S電機の方から、今回の製品は特別な物らしく「決起会を開きましょう!」とお誘いをいただいた。
開催されたのは2月に入ってすぐの金曜日。
どうやら二宮課長さんが飲み会が好きらしく、よく幹事になるらしいことを、雅治さんから聞いた。
それにしても…飲み会が好きな会社だなぁ。
向こうは、今回のメンバー5人プラス営業2人、うちが佐々木さんと俺と営業の3人で、計10人だ。
S電機寄りの駅近くの、二宮課長さんが予約してくれたって言う居酒屋に入ると、襖で区切られた半個室の座敷に通された。
先に着いた俺たちは、入り口近くに3人並んで横並びで待っていた。
すぐにS電機の人達も来て、簡単な挨拶を済ませ、飲み会が始まる。
ちなみに俺達の前には、河野さん、二宮課長さん。
その奥に、松井さん、雅治さん、渡辺課長さんが座った。
うちの営業の隣にS電機の営業さん達。
最初の方は、当たり障りない会話で営業さん達が盛り上げて、ザ、お付き合い飲み会!みたいな感じで進んで行ったんだけど…
その雰囲気を変えたのは、松井さんの一言だった。
「そういえば、佐藤さんって河野さんとプライベートで飲みに行くくらい仲良しなんですね!」
えっ…?
それ、ここで言う?
一瞬固まってしまった。
「そうなのー。友達繋がりなのよ」
河野さんが、いつもの様に笑顔で答える。
「へぇ!友達って、どんなですかぁ?」
松井さんのその言い方が、ヤケに突っかかったような感じだったので、場の空気が一瞬凍った…気がした。
「大学の時からの友人よ?」
河野さんがニコリと答える。
「へぇ!佐藤くん年上の友達がいるんだ。あ、でも分かるな。佐藤くんって、年上にモテそうだもんね」
二宮課長さんが合いの手を入れて、凍ったと思った空気が、すぐに流れ出した。
俺は、ははっと笑って誤魔化して、その場を切り抜ける。
その"友人"って、雅治さんなんだけどね。
はは…
二宮課長さんがすぐに話題を変えた。
「そう言えば、佐々木さんは、ご結婚とかは?」
二宮課長さん!
助かります!!
「私は妻と、2歳の娘がいます」
佐々木さんも、和やかに返事した。
「あぁ、想像できます!良いパパっぽいですもん。…佐藤さんは…結婚は?」
う、俺にも来た。
「まだです」
「まだってことは、考えてるのかな?…付き合ってる人がいるの?」
「あ、はい」
二宮課長さんが、俺の顔をじっと見つめて喋るもんだから、心を読まれるんじゃないかとドキドキしながら、返事をした。
「そっかぁ!佐藤くん、カッコ良いもんね。モテそうだもんなぁ。ね?」
「そうですね」
河野さんが二宮課長にニコリと微笑んだ後、俺に意味深な目線を送ってきた。
もー…
「それにしても、最近の若い子は、結婚に興味ないんですかねぇ?河野も小栗も、勿体ないなぁ」
おぉ…
二宮課長さんって、意外にバサリと斬り込む人なんだな。
「そう言うお前はどうなんだよ」
そんな二宮課長さんに、渡辺課長さんが突っ込んだ。
「え?二宮さん、独身なんですか?」
驚いた佐々木さんの質問に、二宮課長さんはこう答えた。
「俺…バツイチなんですよー」
へぇ!そうなんだぁ。
二宮課長さんこそ、良いパパっぽい雰囲気なのに。
佐々木さんが「変なこと聞いてすみません」と、誤る。
「いえ…。学生の頃付き合ってた子と、社会に出てから勢いで結婚しちゃったんですけど…いざ、生活を始めてみると、全然合わなくて。まぁ、子供もいなかったので、すぐに別れたんですよ。今は身軽を楽しんでます」
そう言って、楽しそうに笑った。
そうなんだぁ。
二宮課長さんって、そんな過去があったんだ。
意外。
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