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決起会 …4
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それから、河野さんと二宮課長さんと、世間話で盛り上がった。
二宮課長さんは、おしゃべりが上手で、この2、3時間の間にすごく仲良くなれた気がした。
佐々木さんのお子さんの話を聞いたりして、とても聞き上手でもあった。
「佐藤くんの彼女ってどんな子?」
って聞かれた時には…困った。
「そうですね。…強くて、優しくて…僕を引っ張ってくれる人です」
言葉を選びながらそう言うと、それを聞いた河野さんが「ふふっ」と笑った。
「え?河野、佐藤くんの彼女のこと知ってるの?」
「あ、いえ。話だけですけどね」
河野さんが、ごめんっていう風に肩をすくめた。
「そうか…。佐藤くんの彼女って年上?」
「そう、です、ね」
「へぇー」って微笑みながら、二宮課長さんが俺の目を見る。
この目…
何か見透かされてしまいそうな目に、ドキッとする。
不思議な人。
深く関わらない様にしなきゃ、と、頭のどこかでぼんやりとそう思った。
決起会が終了して、その居酒屋を出てすぐ、うちの営業が「次のお店に…」って、向こうの課長さん達にお誘いをかけていた。
接待だよね?
なら、俺は行かなくてもいいよねー。
案の定、佐々木さんにどうする?って聞かれて「帰ってもいいですか?」と聞くと、あっさりOKをもらえた。
「えっ?佐藤くん帰っちゃうの?」
そのやり取りを見ていた二宮課長さんが、そう言った。
「ほら、さっき佐藤さんウーロン茶飲んでたじゃないですか?疲れてるんですよ。解放してあげてください」
俺が返事するより先に、河野さんが間に入ってフォローを入れてくれた。
「あ、そっか。…可愛い子が一人減るのは残念だけど…うん、週末ゆっくり休んで、来週からプログラム作成、よろしくね?」
「はい。ありがとうございます!」
二宮課長さんまで可愛いって…
もう、今日はぐったり…
それから何となく、目で雅治さんを探すと…お店から松井さんと二人で出てくるところだった。
松井さんが雅治さんに何か話しかけてる。
…酔ってるのか、松井さん、普段より近いなー。
あ!段差で躓いて、雅治さんの腕を掴んだ…
「佐藤くん?」
不意に河野さんから呼ばれて、そちらを見る。
「見ても、気分が悪くなるだけよ?信じなさい、彼を」
小声でそう言ってニコリと微笑んだ。
コクリと頷いて、再び雅治さんの方を見ると、雅治さんが何か言いながら、松井さんの手を無表情で外すところだった。
うん。
大丈夫。
雅治さんのこと信じてるから、前みたいに嫌な気分にはならないよ。
「ほら、皆に挨拶して帰りましょ?」
河野さんに促されて、渡辺課長さん達に挨拶に行くと、雅治さん達も同じように挨拶に来た。
「あれ?松井さん酔ってる?」
松井さんを見た渡辺課長さんがそう言った。
「酔ってないですよぅ♪」
フリなのか、本気なのか…頬を少し染めた松井さんは、ゆらりと揺れる。
「小栗、途中まで送って行ってやれよ」
渡辺課長さんが雅治さんにそう声をかけた。
あ…
前もこんな事あったなぁ…なんて考えてると
「あ!俺、今日はもう帰るんで、よかったら俺が送りますよ!」
って、営業くんが元気にそう言った。
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