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【VD番外編】小栗雅治の苦悩 4
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陸のすごいところは、計算がなくても可愛いというところだ。
女なら、多少なりとも自分がどう「可愛く」見えるか考えるだろ?
陸自身は逆に、可愛く見られたくないと思っている筈だ。
なのにこんなに可愛いんだから、俺にとって特別な…まさに天使のような存在だ。
俺に身を預ける陸をギュッと抱き返すと、足に何かが当たって、ガサリと音がした。
それに反応するように、陸が身体を離す。
「あ!…一緒に飲もうと思って…」
そう言って、足元のビニール袋を持ち上げた。
「ワイン?」
「そう!…この前買ってもらったやつが美味しくて…また雅治さんと一緒に飲みたくて買って来ちゃった!」
俺はワインより、お前が欲しい…なんて、この純粋な笑顔の前で言える訳もなく…
「いいね。でも、陸はもう結構飲んでるだろ?」
「えー?…じゃあ、俺はちょっとだけ。ね?……ただ、その前に、シャワー借りてもいい?焼き肉食べてきたから…臭いが気になって…」
「………あぁ、いいよ」
シャワー浴びたい→身体を綺麗にする=準備する
→つまり、エッチしたい
と言う、俺に都合のいい方程式を完成させた俺は「臭いなんて気にならないから、とりあえず抱かせろ」って言葉をグッと飲み込んだ。
「先に飲んでてね?…でも、俺の分も残しといてよ?」っていうセリフを吐きながら、陸はいそいそと浴室に消えていった。
「はぁー…」
俺はいつも陸に振り回される。
でも、そういうの嫌いじゃない。
むしろ、もっと振り回されたいとまで思える。
陸に甘えられると、その分、俺の存在価値を感じることができるからだ。
「フッ」
そんな自分を鼻で笑って、ワインを飲むための準備をした。
陸のことだから、俺が飲んでなかったら「いらなかった?」って悲しむかもしれない。
浴室から聞こえてくるシャワーの音にすら、身体が反応しそうになる。
それを抑えるために俺はワインをグラスに並々と注いだ。
しばらくして、浴室のドアが開いた。
何気なく顔を向けると、陸が顔だけこちらに覗かせている。
「あの……雅治さんのシャツ…借りてもいい?」
焼き肉の臭いが気になるって言ったくらいだから、着替えたいんだろう。
「ん?…あぁ、いいよ」
そう言うと、陸は照れたように微笑んで再び浴室のドアを閉めた。
…あれ?
そういえば、うちにおいてある部屋着、風呂に行く前に持って行ってた気がするけど?
気のせい?
それに、浴室に着替えられるような俺のシャツはない。
…持って行ってやるか、と思って腰を上げようとしたら、浴室のドアが開いた。
「……!!」
出てきた陸を見て、言葉を失った。
照れたように出てきた陸は、俺のYシャツを着ていた。
さっきまで俺がスーツの下に着ていたシャツだ。
と言うか、それ一枚で出てきた。
多分、下着は履いて…る。
けど、ぱっと見、シャツが大きいせいか、一枚しか着ていないように見えるその姿は…かなりエロかった。
それまで、陸に酒を飲ませて酔わせた奴を恨んでいた気持ちが、逆に感謝したい気持ちになってきた。
酔った陸は、本当に予想もつかないくらいエロくなる。
上はボタンを3つ程開けて、鎖骨が剥き出しになっている。
シャツの下の生足に目をやったところで、陸が恥ずかしそうに両手で裾を引っ張って下げる仕草をした。
「そ、そんな見ないでよ…」
そう言って、てててと俺の隣に来て、ちょこんとソファに、腰掛けた。
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