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珍しいこと …1
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昼をだいぶ過ぎてから、雅治さんが迎えに来てくれた。
「お待たせ」
車に乗ると、頭を優しく撫でられた。
明るくて人通りのあるところなのに、恋人みたいな触られ方をして、ドキッとした。
「ううん。…ちゃんと休めた?」
「あぁ。ありがと。…行き先は、モールで良かった?」
「うん!車停めれるし、ショップも食事も映画も揃ってるし」
「じゃ、出発しますか」
行き先は大型ショッピングモール。
スターウォーズはもう公開が終わりそうなのか、いい具合の時間に上映されている映画館は少なかった。
でも、このモールは20時30分に上映開始のものがあって、ここに決めた。
ポツポツとたわいもない話をしながら、1時間程で目的地に到着。
最初に映画のチケットを購入してから、ショップをぶらぶらと見て回る。
雅治さんが珍しく雑貨屋さんに入って行ってて驚いた。
食器とか見てるから、新しいのが欲しいのかなって思った。
キッチンウェアのお店で「どんな調理器具が欲しい?」と聞かれて、あぁ、俺のために色々見てくれてたんだ、と気付いた。
どうやら、雅治さんちのキッチン周りを充実させたいのだそうだ。
確かに今は、フライパンと小鍋が一つだけ。
他には何もなかった…
(ある意味、過去の彼女達に何も触らせて無い感じで嬉しいけど)
そうそう。
俺は、2月から料理教室に通い始めた。
雅治さんが日曜日にジムに行く間に、俺も自分磨きをしようと思って…
で、ちょうどその時間帯に、基礎の料理を学べるクラスを見つけて、見学に行ってその場で申し込んだ。
『男性OK』と書いてあったそのクラスは、半数が男で、手元がおぼつかない人も数名…
これなら包丁の握り方もよく分からない俺も悪目立ちしない!と、そのクラスに決めた。
通い始めてまだ1ヶ月だけど、先生やクラスの雰囲気にも慣れて、なかなか楽しくやっている。
1年後には、料理の基礎が身に付いている…予定。
そのうち、雅治さんに「美味しい」って言ってもらえるような料理を作りたい。
こうやって、鍋とか見てくれるって事は、俺が料理教室に通い始めた事を嬉しく思ってくれてるって訳で…
くすぐったくて嬉しかった。
でも、まだ調理器具をポンと選べるほどに俺の知識はなく…
調理器具はまた次回、という事になった。
でも、二人でそう言うのを見て回ってると、新婚みたいで…何か嬉しいやら恥ずかしいやら、だった。
で、今日こうして二人で歩いてて思ったんだけど…
雅治さんの距離が、いつもより近い気がする。
普段は確実に「友達」みたいな距離を保つんだけど…
今日はたまにふと近寄られる時がある。
見たこと無い調理器具を俺が手に取ってたら…
「それ、何に使うんだろうな?」
って、肩が付くくらい近寄って覗き込まれるし…
棚の商品を見ていたら…
俺の後ろから…背中から抱きしめられるんじゃないだろうか⁈って距離でその商品を手に取るし…
ドキドキする。
ドキドキして仕方ないっ。
今日の雅治さん、どうしたのかな?
夕飯は地鶏のお店だったんだけど…「俺の分も飲んで」と、ビールを2杯も飲まされた。
挙げ句「日本酒は?」って勧めてくる。
えっ?
映画の前に酔わせる気?
…まさかね?
夕飯を済ませると、ちょうどいい時間になったので、二人で映画館に向かった。
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