アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
恋愛相談? …2
-
「はい。仲良くさせて頂いていますが…それだけです」
「そっか。そっか。…あぁ、変なこと聞いてごめん。やっぱり、上司として気になってしまって」
ウンウンと頷きながら、ビールを飲む二宮課長さんを見ながら、俺はドキドキしていた。
この流れ…
やっぱり二宮課長さんって、河野さんの事が好きなんじゃない?
うわぁ〜
俺に構うのは、俺が河野さんと付き合ってると思ったからだ!
「あ、あの…ところで、恋愛相談って…」
意を決して、このタイミングで聞いてみる。
「えっ?…あー、うん……ま、そうなるよね?」
二宮課長さんが、ガックリとうな垂れた。
こ、この反応は。
やっぱり、河野さんが恋愛相談の対象ってこと⁈
二宮課長さんは何かを考えるように、焼き鳥を口に運んで、ビールを一気に飲み干す。
おかわりを注文してから、やっと話し始めた。
「俺さー…、今まで真面目に恋愛したことがないんだよ」
「え?」
「あぁ、そんなに構えて聞かなくてもいいから。はい、佐藤くんも食べながらでいいよ」
そう言いながら、俺の皿に焼き鳥を取り分けてくれる。
「あ、ありがとうございます。いただきます」
出された串は美味しくて、今度は雅治さんと来たいなぁ何て考えつつ、話に耳を傾けた。
「俺、こう言うの恥ずかしいけど、寂しがり屋っていうか、一人が苦手なんだよね。情けないことに、常に誰かを求めちゃう癖があって。…そのせいか、好きって言われたら大概俺も好きになっちゃうんだよ」
「そう、なんですか…」
河野さんから同じようなことを聞いていたので、ちょっと反応に困る。
って言うか、なるほど。
女の子好きっぽいのは、そう言う理由なのか。
「実は、別れた嫁さんもそう。告白されて、俺も好きーって気持ちで一緒にいたけど…。でも、長く一緒にいると違和感が出てきて。結局、離婚して。…その後で気付いたんだよね。俺、ちゃんと人を見て好きになってないなーって」
「……」
思った以上に真面目な話っぽくて、戸惑った。
これ、俺が聞いていいのかな?
そんな俺に構わず、二宮課長さんが話を続ける。
「そんなある時、俺に全然懐かない子の教育係りをする事になってさ。…あ、自分で言うのも何だけど、俺、結構後輩にモテるのよ。男女問わず。…でもその子は、一匹狼って言うか、一人で何でもこなしちゃう子でね?最初は、全然可愛くないな〜って思ってたわけ」
やっぱり、河野さんだよね?
だって、二宮課長さんがトレーナーだった、って河野さん言ってたし。
「でもさ、教育係りが終わりそうって時に、その子が本当は強がってるんじゃないかって思う瞬間があって。そしたら、その子の事がどんどん気になってね。…無理やり飲みに連れて行って、問い詰めたら、本当は俺に頼りたいんだって。でも、どうしていいか分からないんだって…そう言われて。…落ちたんだよ」
「落ちた?」
「ギャップ萌え、ってヤツ?外では人を寄せ付けない猫みたいな子が、二人の時に…そんな事を言うのが可愛らしくて」
二宮課長さんが何かを思い出したように、フフッと笑った。
「初めてだったよ。自分から『甘えてほしい』って思ったのは。…普段の俺は、甘えさせて欲しいタイプなんだけどね」
なるほどー…
河野さんみたいな女性に甘えられるのは、確かに貴重な体験かも。
って言うか、河野さんのあの態度は、強がり⁈
「でもさー…、その子、他に好きなヤツがいたんだよね」
「……」
あっ、そうだ。
雅治さんだ。
河野さん、大学の時から、好きだったから…
手にしていたジョッキをゆっくり置いて、二宮課長さんが俺を見た。
「ちょっと…何か、お見通しみたいな?そんな反応されるの、辛いな。…まぁ、そうか。じゃあ、この後の展開も分かる、よね?」
そう言って、ハハッと笑う。
「あっ!いえっ!すみません!…いや、その…」
「そうなの。俺、未だに片思いなんだよ」
二宮課長さんがジョッキを持ち直して、ビールを煽った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
408 / 559