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恋愛相談? …4
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「お疲れ様です!」
突然、背後から声をかけられて、肩をポンと叩かれた。
その衝撃にビクリと震えてしまったけど、その恐怖は一瞬で安堵に変わった。
「あ…れ?河野?…どうしてここに?」
二宮課長さんが、ビックリした顔をする。
あぁ、河野さん!
いつもの笑顔で、この場の空気を一気に新鮮なものに変えてくれる。
「帰り際に佐藤さんを飲みに誘ったら、二宮課長と先約があるとか言うじゃないですか!抜け駆けですよ?私には残業押し付けたくせに」
そう言って、俺の肩をポンポンと叩いて、席を移動しろと合図する。
ハッと我に返って、二宮課長さんとの間に一つ席を空けると、そこに河野さんが座った。
「えーと…すみませーん!生一つと、ウーロン茶一つ下さい」
カウンターの中の店員さんに、河野さんが声をかけている間、二宮課長さんが俺をジトっと見た。
あ…
そうだ。
ここの場所を教えたのは、俺。
二宮課長さんは呼んでないのに、河野さんが来たから…
俺が呼んだと思われてるのかも。
俺と河野さんの仲を疑っているのかもしれない。
そう思った俺は、小さく首を横に振った。
「さっきは、何の話をしてたんですか?」
そんな俺と二宮課長さんの視線を遮るように、河野さんが二人を交互に見る。
「えー…っと」
「男同士が酒飲んで話すような馬鹿話だよ?」
さっきまで酔ってた風だった二宮課長さんが、しっかりした感じでそう答えた。
「ふふっ!何ですかー?それ」
「えっ?聞きたい?聞いちゃう?河野もスキだねぇ…」
二宮課長さんがわざとらしくニヤニヤしながら河野さんを見た。
「うっ…結構です。…楽しいところ邪魔して悪かったですね」
うわ…
二宮課長さん、話逸らすの上手だなぁ。
こんな風に言われたら、これ以上聞きたがる女の人いないよね。
ただ、俺と下ネタ話してたみたいなノリは困るけど…
「へい、おまちー」
その時、カウンターに、生ビールとウーロン茶が置かれた。
河野さんはウーロン茶を持って、二宮課長さんの前に置く。
「はい。二宮課長、もう酔ってらっしゃるでしょ?」
「ええっ?俺?酔ってないよ?まだ3杯目…あれ?4杯目?」
おおっ。
何で二杯頼んだのかと思ったけど…
ウーロン茶は二宮課長さんのものだったんだ。
「あら、そうですか?どっちにしろ、明日も仕事なんですから、ほどほどにしてくださいね?」
「はは…河野は厳しいなぁ…」
そう言って眉を下げて笑いながらウーロン茶を飲む二宮課長さん。
意外とこの二人良いコンビなんじゃ…と何となく思ってしまった。
それから、河野さんが加わって、再び仕事の話なんかで盛り上がっていた時…
「あ、もう8時だよ?佐藤くん、帰らなくていいの?」
二宮課長さんが、腕時計を見ながらそう言った。
「あ…」
そうだ。
誘われた時に、8時まで…って言ったんだった。
「あら?何か用事?」
河野さんが俺を見る。
「はい。見たいテレビがあって…ははっ」
改めて言うと、この言い訳、恥ずかしい。
「そう?…じゃあ、私も一緒に帰ろうかしら?」
「「えっ?」」
河野さん越しに、二宮課長さんの視線を感じた。
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