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前打ち上げ
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もしかしたら雅治さんが飲み会に参加するかも、と言う話を、朝の会議で松井さんから聞いた。
今回の幹事である松井さんのところに、今朝になって雅治さんから連絡が来たらしい。
松井さんは嬉しそうにそれを教えてくれた。
昨夜遅くに、雅治さんから連絡が来た通り、本当に今日帰ってこれるんだ!
じゃあ、明日も一緒に過ごせるのかな…なんて、不埒な考えが頭を過る。
「まぁ、あっちがうまく片付けば、だろ?」
そう言う渡辺課長さんの言葉に、松井さんが「そうらしいですね」と、しおしおと答えた。
俺の気持ちも、しおしおと萎んだけど…
そっか。
そうだよね。
帰れるかは、今日の作業次第って事か…
俺の作業は、特に問題もなく、来週の頭に最終チェックを残すのみの状態で終了した。
定時が過ぎてから、スマホをチェックしてみたけど…
雅治さんからは連絡がない。
まだ、終わらないのかな?
飲み会は来れないのかも…
その予想通り、雅治さんは、飲み会が始まっても帰ってくる気配はなかった。
途中、隣に座った河野さんが「連絡ない?」と俺に耳打ちした。
スマホを取り出して、確認してみるけど…待ち受けに変化はない。
首を横に振ると「残念ね」って言ってくれた。
うん…残念…
もう飲み会も終わりそうなのに、連絡がないってことは…
今日は帰って来れないのかもしれない。
そんな事を思いながら、その場を過ごした。
そして、飲み会も終わり、さぁ店を出ようという時になって、二宮課長さんが俺にこんな事を言い出した。
「佐藤くん、今日は二次会行ける?」
「あー。えーと」
断っても…いいだろうか?
しまった。何か、断る理由を考えとくんだった。
そう思った時…
「あのさ。また聞きたい事があるんだけど…」
そう、耳打ちされた。
「え……」
また?
またって?この前の続きってこと?
逃げ出したい。
そう思った。
でも、もし、ここで逃げたら。
二宮課長さんは、どう思うだろう?
ってゆーか、これからも仕事の付き合いはあるだろうから、誤魔化して変な目で見続けられるのも辛い。
「じゃあ、行きます」
俺がコクリと頷いて見せると、二宮課長さんは嬉しそうに微笑んだ。
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