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覚めない夢 …2
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「俺、昨日、途中で自分を見失って…陸のこと意識が飛ぶまで…無理させて、ごめん」
シュンとしたその姿が、本当に反省しているみたいで可愛かった。
「あ…あの、こっちこそ、途中から覚えてなくて…ごめんなさい。あの……俺、雅治さんがイく前に、気を失ったの?その…雅治さんのことほったらかして…」
「ん?…あぁ、大丈夫だよ。ってか、陸は俺のことなんて気にしなくていいの。…本当にごめん」
珍しく雅治さんが弱気な感じで謝った。
「ふふ!何でそんなに謝るの?」
「そりゃ、陸が全然起きないからだろ?だって、もう5時だよ?…さすがに無理させ過ぎたと思ったよ」
「えええっ!?5時っ?夕方の?」
「そう、夕方の」
何時までヤってたかなんて記憶は全くない。
けど、すごく勿体無い事をした。
雅治さんとのんびり過ごせる土曜日を、ほとんど寝て消化してしまったのだから。
「喉は渇いてない?水飲む?」
雅治さんが、俺が寝てる間に準備しててくれたのか、ベッドサイドに置いてあったペットボトルを手に取った。
あ…
言われてみれば、喉がカラカラ。
「うん。飲みたい」
身体を起こして、ペットボトルを受け取る。
「っつ!」
…いや、身体を起こそうとしたけど、起きれなかった。
腰が重くて、思うように身体が動かない。
雅治さんが「大丈夫?」って言いながら、俺が起きるのを助けてくれた。
「座れる?…お尻…大丈夫?」
雅治さんが、ニヤけるのを我慢するようにして言った。
「だ、大丈夫ですっ!…って言うか、誰のせいだとっっ」
「ごめんごめん」
雅治さんが俺の背に枕を押し込んで、座れるように整えてくれた。
ペットボトルの蓋を開けて、俺に差し出す。
「飲める?…飲ませてあげようか?」
うう…何それっ。
恥ずっ。
「自分で飲めます!」
そう言って、ペットボトルを雅治さんの手から奪った。
水を口に入れると、自分が思っていた以上に喉が渇いていた事に気付いて、一気に半分以上飲んでしまった。
「はぁぁ…」
ペットボトルを口から離すと、自然とため息が出る。
ふと、俺を支えてくれている雅治さんを見ると、すごく幸せそうな笑顔で微笑んでいた。
「美味しそうに飲むね」
「っっ⁈」
こんな間近で無防備に微笑むとか、反則!
仕事中とのギャップがあり過ぎて、ドキドキしちゃう。
「はは、顔、真っ赤」
雅治さんが俺の手からペットボトルを奪って、顔を覗き込む。
あわわ!
その顔がダメなんだってば!
つい、と顔を背けると、雅治さんがそれを追っかけるようにして俺に覆いかぶさって…
キスをした。
「んっ!…もうっ、なにっ?」
照れ隠しで、怒ったふりしてそう言った。
「おはようの、キス」
そう言って、再び顔を近付ける。
おはようの、キス!!
雅治さんの口からそんな言葉が出たのが、ビックリやら嬉しいやら…
とりあえず、次のキスは、正面からちゃんと受け止めた。
「これから毎日しようか?」
えっ?
毎日?…これから、毎日…
「ん…あ、あのっ」
「何?」
「昨日の夜…雅治さんが言ってた……あのー…」
一緒に住もうって、話。
あれは、エッチの最中の戯言…ではないよね?
それを確かめたいけど、恥ずかしくて言葉に出来ない。
雅治さんは、黙って俺の顔を見つめた後、俺の肩を抱き寄せるようにした。
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